学校法人「加計学園」の問題をめぐって2017年7月10日に衆参両院で開かれた閉会中審査で、参考人として出席した前川喜平・前文部科学事務次官がメディア批判も展開した。
前川氏の「出会い系バー」通いをめぐる読売新聞の報道について、前川氏は「官邸と、この読売新聞の記事とは連動している」などと述べ、メディアと政府の距離感を問題視。複数社がこの発言を伝える中、当の読売新聞は、発言を「スルー」した。
「調査」の表現は「確かにあまり適切ではなかった」
前川氏の発言は、丸山穂高衆院議員(日本維新の会)への答弁の中で出た。丸山氏は、前川氏が出会い系バー通いの目的を「貧困調査」と説明していることについて、
「他の部分、誠実にお答えいただいているのに、この部分があるがゆえに『この方大丈夫かな』と国民の皆さんに不安感を与えてしまっている」
と疑問視し、説明を求めた。対する前川氏は、質問には
「調査という言葉遣いは、確かにあまり適切ではなかったかもしれない」
と短く答えるにとどめた。その上で、6月23日に東京・内幸町の日本記者クラブで行われた会見と同様に、読売新聞の報道について言及した。
「私としては、この個人的な行動が、どうして全国紙で報道されるのか。この件については、私も記者会見などで明らかにしているが、昨年の秋に、すでに杉田(和博)官房副長官からは事実関係について聞かれ、ご注意を受けたという経緯がある。そのことがなぜ、あの5月22日の読売新聞に出たのか。このことを私は問題にすべきだと思う」