日本の川でも医薬成分は検出
日本では河川が医薬品に汚染されているということはないのだろうか。魚のメス化報告や全国的な調査などは行われていないようだが、自治体や大学が自主的に行った調査結果はいくつか確認できる。
2012年の報告だが、東京都健康安全研究センターはウェブサイト上で、多摩川流域の河川を対象に101種類の医薬品の成分が含まれるか調査したところ、下水処理場からの水が流入する河川で41種類の成分が確認されたとする報告書「水環境中のヒト用医薬品の存在実態及び環境中濃度の予測」を掲載している。
検出された成分に避妊薬などは含まれておらず、解熱・鎮痛剤や抗アレルギー薬などの成分が多い。検出濃度は最高でも数マイクログラム/リットルで、人間の基準で考えれば一般的に服用する量の約10 万~100万分の1とまず影響はないと思われるが、魚類への影響は未知数だ。
そのうち、医薬品の成分もほとんど完璧に除去できるトイレ、なんてものが登場することがあるかもしれない。