交通事故増にも影響か
2017年6月1日に同じく「JAMA Psychiatry」で発表されたコロンビア大学などが11万8497人を20年間(1991・92年~2012・13年)追跡した調査では、医療大麻を合法化している州では違法使用も多く、乱用者(使用量が増加した人)も増加しているというデータも示された。
例えば90年代から医療大麻が合法化されていたカリフォルニアやコロラドでは、合法化当初は違法使用や中毒者が減少したがその後は増加に転じ、2013年時点で違法使用率は非合法化州に比べてカリフォルニアは1.5倍、コロラドでは2倍に。乱用者はカリフォルニア1.2倍、コロラド2.1倍となっている。
カリフォルニアとコロラドは嗜好用も合法化されたので今後「違法使用」はカウントされなくなるかもしれないが、乱用者は一層増加する可能性も否定できない。
ユニーク(?)な調査は、2017年7月4日付の「フォーブス」誌が報道した米国道路安全保険協会の関連団体Highway Loss Data Institute(HLDI)による2017年6月の交通事故報告だ。
嗜好用大麻が合法化されているコロラド、オレゴン、ワシントンの3州は非合法な州と比較して衝突事故を理由とした保険金の請求件数が平均3%増加し、特にコロラドは14%も増加しているという。この数値についてHLDIはフォーブスに対し「大麻を使用しながら運転する人が増加した結果」とコメント。大麻のメリットが大きく取り上げられる風潮に疑問を呈している。