大麻合法化が急速に進む米国 依存性を警告する研究成果も次々発表

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   米国で嗜好用大麻の合法化が進んでいる。2017年7月2日には今年の1月に合法化されたばかりのネバダ州で、2018年の大麻販売店オープンに先駆け4日間のテスト販売が実施。初日には「徹夜組」が出現するほどで連日長蛇の列ができたとCBSなどは報じている。

   こうした動きと並行して米国で相次いでいるのが、大麻合法化による負の影響を懸念する研究結果の発表だ。

  • 本来は薬物の密輸、密売を防止するための合法化のようだが
    本来は薬物の密輸、密売を防止するための合法化のようだが
  • 本来は薬物の密輸、密売を防止するための合法化のようだが

大麻は依存性が低く安全?

   そもそも米国では29州で「医療大麻」という名目での大麻使用が合法化されている。さらに純粋に嗜好品として大麻を使用することを合法化(大麻の所持・使用が認められている)している州もアラスカ、カリフォルニア、コロラド、メイン、マサチューセッツ、ネバダ、オレゴン、ワシントンの8州におよび、特定の州に含まれないワシントンD.C.も合法だ。

   「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版の6月11日付の記事によると、2016年に上限つきで大麻の所持が合法化されたカリフォルニアでは、2018年の一般販売開始を前に大麻栽培が盛んになっており、大麻推進派の「大麻はアルコールやタバコよりも依存性が低く長期使用しても問題ない」とする声を取り上げている。州に50億ドル以上の収入をもたらすとの予測も立てられており、確かに魅力的な新ビジネスではある。

   ニューヨーク在住の日本人女性もJ-CASTヘルスケアの取材に対し、「米国人は大麻を安全であると思っている人が多い印象」だと答え、こう話す。

「職場の米国人の同僚も『吸ったことがある』という人が少なくないですね。何らかの理由でハードルが低いのか、他の薬物と比較すると安全に見えるのかはわからないですが...」

   しかし、「依存性が低い」「他の薬物に比べれば安全」といった主張を疑問視する研究結果は多い。

   2016年2月17日に米国医師会雑誌の精神分野専門分誌「JAMA Psychiatry」に発表された米国立薬害研究所の3万4653人を対象とした追跡調査によると、医療用・嗜好用を問わず大麻を使用した経験がある人は何らかの依存症になりやすいという結果が出ている。

   大麻使用経験がない人と比較すると、調査開始から3年以内にアルコール依存症になるリスクは2.7倍、大麻は9.5倍、大麻以外の薬物が2.6倍、ニコチンが1.7倍となっており、大麻使用が他の依存症を引き起こすリスクは明らかに高い。

姉妹サイト