都議選の自民党惨敗後も、政府に対する逆風は収まる気配がない。報道各社が行った世論調査で、安倍内閣の支持率が2012年12月の第2次内閣発足から最低を記録した。これまでの安倍内閣の支持率で最低だったのは、安全保障関連法案が成立した直後の2015年夏だった。
安倍首相は17年8月に内閣を改造する意向だ。安倍首相は15年当時、安保法案可決後に内閣改造に踏み切り、支持率は回復傾向に転じていた。ただ、今回の支持率低下は個別政策の是非よりも、説明を避けようとする安倍政権の体質が響いたとの見方もあり、「再浮揚」できるかは不透明だ。
安保法案では内閣改造後の支持率回復
2017年7月10日、朝日新聞、読売新聞、日本テレビ系のNNNが週末(7月7~9日、朝日は8~9日)に行った電話世論調査の結果をそれぞれ報じた。各社の支持率は、朝日が前回7月1、2日の調査よりも5ポイント低い33%、読売が前回6月17、18日調査より13ポイント低い36%、NNNが前回6月16~18日より7.9ポイント低い31.9%だった。いずれも、第2次安倍内閣発足以降、最低の支持率となった。結果を朝刊(東京最終版)1面トップで報じた読売は、2面の関係記事で「『安倍離れ』 女性で顕著」の見出しを使うなどして、数字の急落ぶりを伝えた。
調査方法や対象が変更されているため単純比較はできないものの、これまでの安倍内閣(2次以降)の支持率で最低だったのは、朝日、読売調査では15年9月で、それぞれ35%、41%。NNN調査で最も低かったのは15年8月で、37.8%だった。安倍氏は直後の15年10月7日に内閣を改造。閣僚19人のうち、9人を留任させる一方で、8人を初入閣させた。これが奏功したのか、その後の支持率は回復傾向に転じていた。