肌のコゲとサビがコラーゲンを死滅させる
美肌にも怖~い影響を与えるのだ。番組では、岐阜大学の犬房春彦特任教授がマウスに行なった、アルコールが老化にどう関わっているのかを調べた実験を紹介した。実験では、1匹のマウスには普通のエサを、もう1匹のマウスには毎日アルコールを与え続けた。その量は、人間に換算すると毎日ワイン1本分くらいだ。2週間後、マウスの血液を採取し分析すると、アルコールを飲んでいたマウスは「過酸化水素」という物質の量が増えていた。聞き慣れない言葉だが、いったい何か? アセトアルデヒドが肝臓の細胞に作用し、活性酸素というさらに有害な物質を生み出す。その活性酸素が、ある酵素と反応してできるのが過酸化水素で、血液を通じて全身へ運ばれる。
過酸化水素がいかに怖いか、犬房教授が人間の細胞を培養したケースに過酸化水素を加えてみせた。すると、細胞が次々と溶けていき、最終的に全部消えてしまった。死滅したのだ。これこそがアルコールの弊害の1つ目のキーワードである「カラダが酸化し『サビる』ということ」だ。
犬房教授「サビと言えば、古い鉄がボロボロになるイメージですが、人間のカラダもサビた状態になると、細胞がダメージを受け死んでしまいます。皮膚でいうと、健康な肌の下にコラーゲン繊維が網のように貼り巡らされ、下から支えています。しかし、過酸化水素が肌に増えると、コラーゲン繊維を攻撃して死滅させますから皮膚が陥没。その部分にシワを生まれるのです」
MCの後藤「もう1つ、アセトアルデヒドがもたらす老化があります。そのキーワードが『コゲ』です。実際にコゲた食パンを指で押してみると、弾力を失っていますネ。それと同じことがお肌でも起こるのです」
肌にとっての「コゲ」とは「AGE」(終末糖化産物)という老化物質のことだ。アセトアルデヒドは、それ自体毒性を持つだけでなく、細胞のタンパク質と結合して、「AGE」という老化を促進する物質に変わる。最近では、人間の老化のほとんどに「AGE」が関わっていることがわかっている。しかも、「AGE」は酒を飲む量が多い人ほど多く生まれる。このAGEはなぜ肌の弾力を失わせるのか。
肌の下には、コラーゲン繊維がベッドのスプリングのように肌を下支えして、弾力を与えている。しかし、体内のAGE量が増えるとコラーゲン繊維にべっとりと絡み付き、弾力を奪っていく。表面からはわからないが、酒を飲むと、「過酸化水素によるサビ」と「AGEによるコゲ」の2つが、肌の老化を進めているのだ。番組では、実際に「お酒大好き」を自認するゲストの女優・遠野なぎこ(37歳)と、セクシーお笑い芸人・カオルコ(34)の「肌の老化年齢」を、金沢医科大学の堤幹宏教授が開発した装置で測定した。肌のAGE量が光を当てると分かるのだ。すると、遠野なぎこ=「84歳」、カオルコ=「68歳」という実年齢の2倍以上という衝撃的な結果が出た。
遠野なぎこ「(ムカっとした表情で)本当ですか、コレ! 知ってよかったです!」