お父さんの育児への参加が叫ばれて久しいが、やっぱりパパがママの家事を手伝い、子どもと一緒に遊んであげると健康に育つようだ。
小児肥満が問題になっている米国で、ジョンズ・ホプキンス公衆衛生大学のチームが、「イクメン」に育てられた子どもほど肥満になりにくいという研究をまとめ、肥満学専門誌「Obesity」(電子版)の2017年6月21日号に発表した。
家事と育児の「影響力」をランクすると
同誌の論文要旨によると、研究チームのミッシエル・ウォン教授らは、国立教育統計センターが行なっている全国約1万700人の子どもの「教育と健康データ」を対象に6年間追跡調査した。このデータでは、6歳までの子どもの身長・体重、家庭環境、家族構成、年収、健康、食生活、身体活動、余暇レジャーなどのほか、父親の家事や子育てへの関わり方を詳しくアンケート調査している。
特に子どもの肥満に関する内容では、次の点を詳細に調べた。
(1)子どもがテレビやビデオ、ゲームなど室内ですごす時間と頻度。その際の父親の子どもに対する指導と関わり方。
(2)子どもが1日に外で遊ぶ時間、また、その時の相手。父親がどの程度、子どもと一緒に遊んでいるか。
(3)子どもがソーダ、フルーツドリンク、清涼飲料水などを飲む量と頻度。その際の父親の子どもに対する栄養指導と関わり方。
(4)父親がどの程度家事に協力(食事の支度、準備、洗濯など)して、子どもの面倒(幼児の就寝・入浴・着替え・歯磨きの手助けなど)をみることに関わっているか。
こうした調査は約80項目に達し、1つ1つについて「父親の影響力・関与」のレベルを
「影響力・関与なし」「少し影響力・関与」「大きな影響力・関与」
の3段階で評価した。そして、子どもが2歳と4歳の時点での肥満度と父親の関わり方を比較した。その結果、父親が積極的に育児に参加し、「影響力・関与」のレベルが高い子どもほど、肥満になる割合が少なくなった。