「健康に悪い遺伝子の変異」が知能を下げる 英大学が発表

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変異を除去すれば知能は向上する

   2009年に英キングス・カレッジ・ロンドンが行った研究では、知能が高い人ほど健康的で長生きをする傾向にあると発表されている。そういった人たちが単純に健康的な生活を送るよう意識しているのかもしれないが、今回のヒル博士らの研究結果を見るとこの研究結果もそれなりに説得力があるように思えてくる。

   知能が遺伝に依存するという考えには拒否感もあるかもしれないが、今回の論文を取り上げた米科学メディア「New Scientist」の6月20日付の記事の中で、取材に答えた遺伝学の専門家は

「知能に遺伝的影響があることはいいことでもある。もし知能がすべて環境で決まるのであれば恵まれない状況で育てられた人は、より特権のある恵まれた人たちより知性が低くなり、その不平等は解消されないことになる」

と指摘した。

   では、知能を低下させているという遺伝子変異を取り除けば知能の向上が期待できるのだろうか。ヒル博士は論文の中で胚をゲノム編集するといった方法で実現する可能性は十分にあると肯定している。ただし、「変異を除去すると天才になる」というような話ではなく、あくまで「平均値以下だったものが平均値以上になる」程度の変化だという。

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