うつ症状や味覚障害引き起こす 「亜鉛不足」防ぐ夏のスーパー食材

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インスタント食品の食べすぎは危険

   亜鉛が不足すると「低亜鉛血症」になるが、自分では深刻化するまでなかなか気付くことができない。

   どんな症状が出るのか、順天堂大学医学部総合診療科の内藤俊夫主任教授が診察した患者のケースが紹介された。

   63歳の主婦・後藤さん(仮名)は、3年前、体重が3か月で5キロも落ちた。夏バテのせいだと思い気にしていなかったが、体重減少は止まらない。ガンなどの病気かと思い病院へ行ったが、検査結果は異常なし。病院を転々とし、内藤先生のもとにたどり着いた。

   後藤さんが診察で「食事が楽しくない」と話したことから、内藤先生は亜鉛欠乏による味覚障害を疑った。

   舌の表面には味を感じるセンサーの役割をする「味蕾(みらい)」があるが、細胞を代謝する周期が短いため、多くの亜鉛を必要とする。亜鉛が不足すると細胞が生まれ変わらず、味覚障害に陥る。後藤さんは食事がおいしくなくなり、知らず知らずのうちに食事の量が減っていたのだ。さらに重症化すると、何を食べても味がしなかったり、砂や粘土を食べているような感覚になったりする。

   後藤さんの低亜鉛血症は年齢が影響したとみられる。歳を重ねると相対的に食事量が減り、腸管からの亜鉛の吸収率も落ちるため、血中の亜鉛量が低下してしまう。

   後藤さんは味覚障害のため料理がおっくうになり、インスタント食品をよく食べるようになっていたが、これも悪影響を及ぼしていた。インスタント食品には亜鉛の吸収を阻害する添加物「ポリリン酸」などを含むものがあり、摂りすぎると亜鉛不足の原因になる。

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