2017年4月に放送がスタートした少女向け特撮ドラマ「美少女×戦士 ミラクルちゅーんず!」(テレビ東京系、以下「ミラちゅー」)の魅力にハマる「大人」が続出している。作中に登場するアイドルユニット「ミラクルミラクル」のイベントでは、大人を含む中学生以上だけを対象にした企画が用意されるほどだ。
なぜ、「ミラちゅー」は大人にも受けているのか。その理由をJ-CASTニュースが探った。
総監督は三池崇史氏
「ミラちゅー」は毎週日曜朝10時30分から放送されている30分番組。原作はタカラトミーと映像制作会社のOLMで、総監督を務めているのは映画監督の三池崇史氏だ。三池氏は先日、米映画芸術科学アカデミーの新規会員候補として発表されるなど、本格派の監督として知られる。
作品のストーリーは、魔王に支配された「音楽の国」を救うため、特別なアイドルとなった少女たちが、歌やダンスの力で悪に染められた人々の心を浄化していく――というもの。武器を使った格闘をせず、「音楽の力」だけで敵と戦う点が特徴だ。
主役の3人組アイドル「ミラクルミラクル」のメンバーは全員、少女向け雑誌「ちゃお」「ぷっちぐみ」(いずれも小学館)の誌上で募集したオーディションで選ばれた10代前半の女の子。そのほか、タイの国民的スターのジェームス・ジラユさんが「魔王」役をつとめるなど、個性的なキャストが脇を固めている。
また、アイドル達が披露する大人顔負けのダンスパフォーマンスも見どころの一つ。ダンスの監修を担当しているのは、EXILEらが所属するLDHグループが展開するダンス&ボーカルスクール「EXPG(EXILE PROFESSIONAL GYM)」だ。
そんな「ミラちゅー」の世界に夢中になっているのは、メインターゲットの少女たちだけではない。その魅力にハマる20代以上の「大人」が続出しているのだ。実際、コンサートなど関連イベントの告知ページには、
「会場観覧席前方はお子様優先観覧エリアとして設定させていただきます」
といった「大人向け」の注意書きがある。
「本格的な作品だと自負しています」
さらに、7月29日に都内で実施される「ミラクルミラクル」デビューシングルの発売イベントでは、子供向けの企画のほかに、中学生以上を対象にした企画が実施される。大人向け企画の内容は、
「トーク&ミニライブ、メンバー全員とのハイタッチ会」
「個別握手会」
「個別2ショットチェキ撮影会」
という充実のラインナップだ。
なぜ、大人を含む中学生以上を対象としたイベントを用意したのか。タカラトミー広報課の担当者は7月6日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「メインのターゲットはあくまでお子様なのですが、大人のファンにも楽しんで頂いていることは把握しています。そこで、ファミリー層と大人の双方が気兼ねなく楽しめるように、企画を別に分けました」
と説明する。また、ミラちゅーが大人にも受けている理由は何なのか、という記者の質問に対しては、
「ストーリーやビジュアル、それに楽曲やダンスなども含め、全体として非常に本格的なつくりの作品だと自負しています。ですので、そうした面が大人にも受け入れられた理由なのではないでしょうか」
と答えた。ちなみに、同社が販売しているミラちゅーのグッズは、いずれも少女向け商品のため「特段、大人に売れている訳ではない」というが、
「放送時のウェブの反応などから、多くの大人に楽しんでいただいていることを実感しています」
と担当者は話していた。
ファンが語る魅力
日頃、「ミラちゅー」の大人の楽しみ方を発信している一人、ツイッターユーザーの「えこうさ」(@ecousa)さんは、J-CASTニュース編集部の7月上旬のツイッターを通じた取材に対し、作品の魅力について、
「『何も考えず見て、濃い登場人物の突飛な行動や、ビジュアルに笑って、最終的なハッピーエンドにほんわりする』感じが魅力ですね。複雑怪奇なストーリーやら、伏線、重い設定、展開があるわけではなく、気楽な気持ちで日曜の午前中に視聴できるのが 疲れた大人がなんとなく見ちゃう理由なんですかね」
と指摘した。
このように、「えこうさ」さんは作品の持つ独特の雰囲気に惹かれたというが、一方で、主人公たちをアイドルとして見ている大人のファンも多いとして、
「ターゲットはかなり広いとおもいます」
としていた。