電車やバスなどの公共交通機関で「デブは運賃を倍支払うべき」――。女性限定のネット掲示板「ガールズトーク」に寄せられたこんな主張をめぐり、インターネット上で喧々諤々の議論が巻き起こっている。
こうした訴えについて、ネット上では「これは正論」「全然あり」など賛同の声が出る一方、「(体型で)人を差別するのか」「荷物の多いビジネスマンもなんとかしろ」との異論も目立つなど、さまざまな意見が飛び交っている。
「お願いだから痩せてくれ!!!!」
太っている人は割増運賃を払うべきだと訴えたのは、20代女性というネットユーザーだ。彼女が2017年7月5日に「ガールズトーク」へ投稿した書き込みでは、
「デブ税として、公共交通機関でのデブの運賃倍制度導入希望!デブは、運賃を倍支払うべきです」
と主張。その理由としては、(1)満員電車など、太った人のせいで窮屈な思いをさせられるケースがある(2)一人で二人分の座席を使っている場合もあり、迷惑だ(3)宅配便でも、重い荷物や大きい荷物はその分の送料を請求される――などを挙げている。
割増運賃となる基準については、体重ではなく「外形寸法より判断」すべきと説明。また、病気などでどうしても痩せられない人については、医師の許可を得て割増運賃の「免除」ができるようにすべき、としていた。
さらに書き込みでは、太った人の運賃割増制度の導入によって想定できるメリットも挙げている。それは、国民の「健康意識の促進」と、公共交通機関の「輸送機能向上」の2点だという。
こうした主張を展開した上で、この女性ユーザーは、
「(上記した制度の導入を)本気で考えてしまうくらい、満員電車でデブに腹が立ってしまいます。暑いのに、暑苦しい巨体を押し付けられて...(略)お願いだから痩せてくれ!!!!」
との言葉で投稿を締めくくっている。
「神経疑うわ。笑えない」
太った乗客をめぐる今回の投稿について、インターネット上では激しい議論が勃発。書き込みが寄せられた「ガールズトーク」上には、7日昼までに150件以上のコメントがある。さらに、ツイッターやネット掲示板「2ちゃんねる」でも投稿は話題となっており、様々な意見が相次いで寄せられている。
この主張に賛同するユーザーも少なくなく、次のような投稿が出ている。
「少しでも気持ち良くお互い過ごせるなら全然ありだと思います」
「できれば、痩せたら支払った分をいくらか返金してもらえる制度も併せてお願いします」
「映画館とかさ、幼児は膝の上なら無料だけど、1席使うなら料金かかるんだから、 電車も2席分使うなら料金とらないとおかしいよ」
ただ一方で、人の身体的特徴を公共交通機関が「区別」することは問題ではないか、などとして、
「見た目で人差別して(中略)主(=投稿者)の神経疑うわ。笑えない」
「デブだって個性だと思うよ。確かに迷惑だけど、それ言ったらベビーカーだって車椅子だって迷惑でしょ?そういうことじゃないと思う」
「相撲選手やらビルダーも引っ掛かるやん 何で仕事で体格維持しとるのにケチ付けられなきゃいかんのや」
と反発する意見も多い。
また、この主張に触発されたのか、混雑時のキャリーケースといった荷物にも「課税」すべきなど、日ごろ電車やバスを利用していて不満に感じた点を率直に訴えるユーザーの姿も目立った。
投稿者は謝罪「本当にごめんなさい」
なお、発端の主張を書き込んだ女性は7月6日、「差別だ」などと反発する意見が相次いだことを受け、「ガールズトーク」上で謝罪している。その投稿では、
「本気で怒る方や不快に感じる方もいるだろう事を配慮してませんでした。申し訳ございませんでした。冗談のつもりでも、傷つく方も、本気にしてしまう方もいるのですね。本当にごめんなさい」
と謝罪。続けて、「これからますます暑そうですが、お身体大切に!太りすぎは健康に良くないですよー!笑」との言葉も送っていた。