政党と「その他政治団体」の差
後藤氏によると、従来の「後藤輝樹後援会」(その他政治団体)から「国民ファーストの会」(その他政治団体)へ5月3日に名称を変更した、と5月8日に「異動届」を出した(総務省によると、官報告示はまだだが、「異動届」は提出されている)。
それでは、後藤氏を代表とする「国民ファーストの会」が存在する中、将来的に小池知事勢力が「国民ファーストの会」を登録することはできるのだろうか。総務省などの解説を総合すると、少なくとも現段階では、登録はできそうだ。
政治資金規正法上は、政治団体は大雑把に(1)政党、(2)政治資金団体、(3)その他の政治団体の3種類に分類できる。政党は、「所属国会議員が5人以上」など2条件のうち、少なくとも1条件を満たす必要がある。政治資金団体は、「政党が指定した団体」だ。
この3種類のうち、「同じ名称や類似の名称」をつけてはいけない、と保護されているのは、政党と政治資金団体だけだ。時系列的に先に「その他の政治団体」としての「国民ファーストの会」が存在しても、その名称は保護されず、後になって別の「国民ファーストの会」を登録することは可能だ。
逆に、政党(か政治資金団体)としての「国民ファーストの会」が登録された後は、政党でも政治資金団体でも「その他政治団体」でも、新たに「国民ファーストの会」を登録することはできない。
一方で、政党・政治資金団体の名称保護は、さかのぼっては適用されない(該当の政党が登録する前に存在した、同じ名前の「その他政治団体」の名称に変更義務は生じない)。
このため、先に登録された後藤氏の「国民ファーストの会」(その他政治団体)と、(仮定の話だが、)後で登録された小池知事の「国民ファーストの会」(政党など)が、共存することは可能だ。