感動実話!猫が認知症の犬を介護する! ワンコが認知症になった時の向き合い方

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犬に「失敗した」と感じさせない環境づくり

   こうした症状が当てはまると認知症の可能性が高くなるが、残念ながら、人間の認知症と同様、犬の認知症の根本的な治療法はない。進行をできるかぎり遅らせることや、飼い主と犬のストレスを減らし、少しでも快適に過ごせるようにすることが獣医師の目的となる。

   菊池医師が認知症の犬の行動治療で行っている方法を紹介しよう。

(1)犬が安心して過ごすことができる環境づくり:犬は「失敗した」と感じると不安な気持ちになり、症状が悪化するので、できるだけ「失敗した」と感じさせない工夫が必要となる。たとえば次のような配慮を。
□部屋の中から犬の障害物になりそうなものは、可能な限り取り除く。
□犬が混乱するので、部屋の模様替えはやめる。
□水は飲みやすい場所に設置する。
□トイレは行きやすいように作ってあげる。
□居心地の良い寝場所を確保してあげる。
□床には滑り止めを敷いてあげる。
□暖かくてやわらかそうなフワフワしたベッドは、足が弱い犬にとって動きにくく、逆に負担をかける場合があるので注意が必要。

(2)心配だからといって行動を制限しすぎない:障害物を避けられず、壁や椅子にぶつかってケガをする危険があるからといって閉じ込めてしまうと、歩きたくて吠えるケースがあるので、犬がケガをしない運動エリアを作ってあげる。壁となる部分に風呂マットのような、ぶつかっても衝撃を受け止めるものでサークルを作るのがオススメ。小型犬なら家庭用のビニールプールに空気だけを入れ、底に滑り止めのコルクマットなどを敷き詰めるといい。

(3)体と脳に適度な刺激を与える:歩行が可能ならば、リハビリを兼ねて介護用ハーネスを利用した短時間の散歩へ行くとよい。歩行が困難な場合には、カートで外出すると嗅覚・視覚・聴覚を刺激することができる。また、おやつを握り、どっちに入っているかを当てるゲームなど簡単な知的遊びをすると、脳に刺激を与えることができる。 (4)決して叱らないこと:犬の行動にイライラして、叱ったり、叩いたりすることは、余計に犬の不安をあおることになるため、絶対に避ける。

   以上の方法以外にも薬物療法や食餌療法、サプリメントの使用などもあり、それぞれの犬と家庭に合わせた対処法を獣医師と相談しながら進めていく。

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