西武・森慎二コーチ急死の原因「溶連菌」 「劇症型」の感染症は数十時間で命を奪う

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「人食いバクテリア」と呼ばれることも

   劇症型溶血性連鎖球菌感染症はしばしば、メディアが「人食いバクテリア」と報じることがある。東京都感染症情報センターのサイトの説明を見ると、劇症型溶血性連鎖球菌感染症患者の傷口に直接触れるなどして感染、菌が血液や筋肉、肺といった通常は細菌が存在しない組織に侵入して起きる。

   初期症状は発熱や悪寒、体の痛みや腫れが起き、その後症状が一気に進行。筋肉周辺組織が壊死を起こしたり、血圧低下や多臓器不全からショック状態となり、発病後数十時間で死亡するケースも少なくない。

   森コーチがこの症状だったかは分からない。ただ当てはまりそうな部分はある。

   東京都では2017年1月以降、ほぼ毎週のように1人以上の患者が出ている。第22週(5月29日~6月4日)は、5人の患者が報告された。年齢は40代以降で増え始め、70代以上が最多だ。東京都では2015、16年と続けて年間60人以上の患者が出ており、増加傾向にある。なお国立感染症研究所の「感染症発生動向調査」を見ると2016年は、全国で485人と過去最も多かった。

   2017年2月9日付「ウィズニュース」には、劇症型溶血性連鎖球菌感染症の経験談が掲載されていた。始まりは足にできた水ぶくれで、アルコール消毒したものの治らず、1週間ほどして急激な悪寒に襲われたという。体温は41度まで上がり、「翌朝になると、高熱から意識はもうろう。病院に運ばれて、すぐさま入院が決まりました。全身に腫れが広がったほか、高熱にうなされました。腎臓や肝臓にも炎症が現れて、多臓器不全になりかけました」。

   幸い点滴で注入した抗生物質が効いて、4日後に高熱がさがったものの、3週間以上入院したという。

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