気に食わないことには「悲しいことだ」
「Sad」という言葉は一見愛や怒りを思わせるものではないが、トランプ大統領の場合は自分にとって腹立たしいことや気に食わないことがあった場合に使われている。
例えば、大統領選挙期間中、自身がオバマ元大統領をISISの創設者だと発言したとヒラリー・クリントン氏に指摘された2015年12月21日のツイートではこうだ。
「そのような発言の映像はなくヒラリーは嘘つきだ。悲しいことだ!」
また、女優のウーピー・ゴールドバーグさんがテレビ番組でトランプ大統領の発言をたしなめたところ、2016年6月8日に
「ウーピー・ゴールドバーグはひどい。悲しいことだ!」
と投稿。その他にも自分に批判的なメディアの読者数が少ないので悲しいといった揶揄的なものなどまであるが、常に巧妙に怒りを隠しつつ逆に支持者たちに怒りを起こさせるよう使われている。
研究者らも「政治家などが用いる道徳的かつ感情的な意味を持つ言葉の影響は非常に大きい」とし、
「トランプ大統領がツイッターで成功したことを考慮すると、彼のSNSキャンペーンを支えるひとつの大きな要因に(「Sad」が)なった可能性を示唆する」
とコメントしている。