「ごぶさたしています」――開口一番、こう口にした。ラグビー元日本代表の五郎丸歩選手(31)は2017年7月3日、トップリーグのヤマハ発動機ジュビロへの復帰記者会見に臨んだ。
世界の壁にぶちあたった海外生活
五郎丸選手は、記憶に新しい2015年ラグビーワールドカップ(W杯)で大活躍し、一躍時の人に。プレースキックを蹴る前のお祈りするように両手を合わせる儀式が「五郎丸ポーズ」として社会現象にまでなった。
W杯での活躍もあり、16年シーズンからスーパーラグビーの「レッズ」(オーストラリア)に加入。同年8月にはフランス1部リーグの「トゥーロン」に移籍した。
だがこの一年半は、我慢の連続が続いた。「レッズ」では、右肩のケガの影響で思うようなプレーができずに苦戦。その後、「トゥーロン」に移籍し新天地での活躍が期待されていたが、出場はわずか5試合(無得点)にとどまった。
五郎丸選手は、当時を「育った環境や文化の違いがある中で自分をアピールする難しさ(を感じた)」と振り返る。
そして、「パフォーマンス的にもメンタル的にもこれ以上海外にいると難しい」として17年6月30日、「トゥーロン」を退団、翌7月1日には08~15年に在籍していたヤマハ発動機とプロ契約を結んだ。
五郎丸「優勝に貢献したい」
会見に同席したジュビロ・鈴木正典代表は、
「肌で感じた海外でのラグビーを、プレーだけではなく生活面も含めてヤマハの、特に若い選手に伝えてほしい」
とエールを送る。
五郎丸選手は、
「なかなかやっぱり出場機会が少なかったので、その分しっかりパフォーマンスを出して優勝に貢献したい」
と意気込みを語った。
なお、スポーツ新聞各紙によると、五郎丸選手は「五郎丸ポーズ」を卒業し、両手を腰に当てるスタイルに変更。その理由を「大事なのは体重移動。あそこ(ポーズ)はそんなに重要ではないので」と説明しているという。
今季のトップリーグは8月18日に開幕。ヤマハ発動機は同日、愛知・豊田スタジアムでトヨタ自動車と対戦する。