ヨガは慢性腰痛の緩和に効果 最も効くという理学療法に匹敵

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   慢性的な腰痛に悩む人は非常に多い。腰痛は完治するのが難しく、現在のところ理学療法が症状の緩和や機能回復に最も効果があるといわれているが、ヨガも理学療法にほぼ匹敵する効果があることが米ボストン大学医学部の研究で明らかになった。

   内科学専門誌「Annals of Internal Medicine」(電子版)の2017年6月20日号に発表された。

  • ヨガが腰痛に効く
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12週間のヨガ教室で半数が改善

   米国内科学会が2017年に発表した「腰痛」のガイドラインによると、腰痛の治療では鎮痛薬以外の方法をまず試すべきだとしている。鎮痛薬があまり有効ではないばかりか副作用があるためだ。治療法としては温熱療法やマッサージなども挙げられるが、科学的な根拠がまだ確立されていないと強調している。

   そこで、研究チームのロバート・サパー教授らは近年注目されているヨガに、標準的治療法として確立されている理学療法と同じレベルの効果があるかどうか、調べることにした。米国には経済面から理学療法を受けることができないマイノリティーや低所得者が大勢おり、ヨガに代替療法としての効果があるのなら、多くの人を腰痛から救うことができるからだ。

   同誌の論文要旨によると、研究チームは、低収入の民族的マイノリティーで慢性腰痛を持っている男女320人(平均年齢46歳)を次の3つに分け、12週間の腰痛改善プログラムを行なった。

   (1)週1回のヨガクラスに12回参加するグループ。

   (2)理学療法を15セッション受けるグループ。

   (3)腰痛との付き合い方を書いた本を与えられ、「自習」するグループ。

   12週間後の時点で、腰痛の度合いの評価表(「まったく痛くない」から「我慢できない激痛」までの11段階)で聞き取り調査をすると、ヨガ組と理学療法組は、自習組よりも改善した人が多かった。プログラムを始める前に比べ、痛みが緩和し腰の機能が回復した人の割合は、自習組が23%だったのに対し、理学療法組は37%、ヨガ組は48%だった。また、ヨガ組と理学療法組では、鎮痛薬を使う人がそれぞれ21%、22%減った。ヨガ組は半数近くが12週間で改善したことになる。この数字だけ見ると、ヨガの方が理学療法より効果が上のように思えるが、両者の間では統計学的に有意な差はなかったという。この効果はヨガクラスが終了した後の1年後まで続いた。

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