膝のポキポキ音が将来の歩行困難に 変形性膝関節症の発症リスク3倍増

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ポキポキ音は膝からの「警告」だった

   さて、同誌の論文要旨によると、膝がポキポキ鳴ることと変形性膝関節症の発症リスクについては、これまでほとんど注目されてこなかった。患者から「膝から音がするのですが」と訴えられても、医師は膝を検査して異常がなかった場合、「ポキポキ音」の意味についてどう評価すればいいか分からなかった。

   そこで研究チームは、変形性膝関節症にかかっていない3495人の男女(平均年齢61歳)を対象に4年間にわたって毎年行われる健康診断の際に、「膝がポキポキ鳴る頻度」や「膝の痛みの有無」を聞き取り調査し、合わせエックス線写真で膝関節の状態を調べた。対象者の肥満度を表す体格指数「BMI」の平均は28.2だった。18以上~25未満が標準だから、「やや肥満」にあたる。

   「膝がポキポキ鳴る頻度」については、「膝を動かした時に、音がなったり、きしみを感じたりすることがあるか」を尋ねた。回答は「まったくない」「まれにある」「時々ある」「しばしばある」「いつもある」の5つから選ばせた。そして、4年後の変形性膝関節症の発症リスクを比較すると、「まったくない」人に比べ、「まれにある」(1.5倍)、「時々ある」(1.8倍)、「しばしばある」(2.2倍)、「いつもある」(3.0倍)と、ポキポキ鳴る頻度が多いほど、発症リスクが高くなった。研究チームは論文要旨の中でこうコメントしている。

「たとえ膝の痛みという自覚症状がなくても、ポキポキと音がなることは、膝関節の内部で何らかの異常がある可能性があり、変形性膝関節症の発症を予測するうえで重要なポイントになることがわかりました」

   ポキポキ音は膝からの「警告」というわけだ。

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