旧村上ファンド勢の勝因とは 黒田電気で起きた「異例」の展開

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真っ向対立する可能性

   株主提案の可決には過半数が必要。今回はレノ側に加え、機関投資家や個人が十数%分賛成に回らないといけない。従来は、他の株主にとって受け入れがたい「無理筋の提案」をしてくることが多かったため、ここで否決されるのがパターンだった。実際、2年前には村上氏ら4人を選任するよう求める議案が出されたものの、否決されている。

   しかし今回は取締役候補を安延氏1人に絞ったことで、レノ以外の株主が受け入れやすくなった。取締役6人を選任する会社側の提案も可決しており、会社側、株主側の提案が両立した。レノ側の「控えめな提案」が功を奏した格好だ。

   次の焦点は、取締役会の中身に移る。総会前、取締役会は株主提案に反対を表明しており、会社側メンバーと安延氏とが真っ向対立する可能性が高い。そんな中、安延氏が一定の成果を上げることができたなら、物言う株主の存在感はますます高まることになる。しかし目に見える成果がなければ、他の株主から「実行力がない」という評価が下されかねない。今後の黒田電気の動向に、ますます注目が集まりそうだ。

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