父親が大切にしている「思い出のガンプラ」を、家族や芸能人が寄ってたかって「捨てる」よう強要する――。2017年7月1日放送のバラエティー番組『今日で捨てましょう!』(テレビ東京系)で、こんな場面が放送され、インターネット上で物議を醸している。
番組では、ガンプラを捨てたくないと主張する父親に対し、出演者らが「死んだらただのゴミ」などと説得していた。こうしたシーンを見た視聴者から、「こんな酷い番組、生まれてはじめて見ました」など不快感を示す声がネット上に相次いでいるのだ。
「私にとっては価値があるものなんです」
『今日で捨てましょう!』は、テレ東系の『土曜スペシャル』枠で7月1日に放送された特別番組。「捨てたくても捨てられないモノを今日で捨てましょう!」をコンセプトに、廃品回収ワゴンに乗り込んだ出演者が一般視聴者からの依頼に応えていく内容だ。
その中で取り上げられたのが、「父親のガンプラを捨てて欲しい」という依頼だ。これをリクエストしたのは娘(10)と妻(44)で、捨てたい理由については「けっこう古いし、ホコリも被っているから」と説明していた。
この依頼を受け、お笑い芸人の千原ジュニアさんら出演者は父親(52)の元へ。ジュニアさんが「(家族が)ガンプラ捨てたいって言ってます」と単刀直入に切り出すと、父親は、
「いや、えっ...!? どんな話になってるんですか?」
と困惑。続けて、「全然ありふれているものなんで、価値はないと思います」としつつも、「私にとっては価値があるものなんです」と訴えていた。
そこで出演者らは、鑑定人とともにこの一家の自宅へ向かい、ガンプラの価値を鑑定することに。父親が集めた段ボール1箱分のガンプラは、いずれも組み立て前の未使用品だったが、鑑定の結果はいずれも数百円とされた。
こうした結果を踏まえて、家族や出演者が改めて「ガンプラを捨てるよう」求めると、父親は、
「価値がないのは分かっているんですけど、自分なりの思い出があるので...」
とポツリ。さらに父親は「いつか作る機会が来る」とも続けたが、妻と娘は「(作る機会は)ないと思う」「100円でも売っちゃえ」などと説得を始めた。