「明日から東京都に行くのが怖いです」――こんな「ネタ投稿」が、ツイッターで拡散している。2017年7月2日夜、東京都議選の大勢が明らかになった直後のツイートだ。
都議選は「都民ファーストの会」が追加公認を含め55議席を獲得、公明党などと合わせ、小池百合子都知事を支持する勢力が過半数を占める「圧勝」となった。さて、つぶやきは以下のように続く。
電車の席も「都民ファースト」?
「東京都に入れば千葉県民は二の次、三の次、全てが都民ファースト。市川駅を過ぎれば都民に席を譲らなければならず、ふなっしーはジュースにされ、チーバくんは首輪の着用が義務付けられるのです。もう千葉県は独立するしかないのです。千葉県民よ立ち上がるのです」
そう、「都民ファースト」が第一党になったことで、これからは文字通り「都民」がすべて第一となり、都民でない千葉県民は虐げられることになるのだ――というネタである。千葉県のキャラクターである「ふなっしー」や「チーバくん」までもが弾圧を受ける、というのは、なかなか皮肉が効いている。
「てとさんたは一億人から10円欲しい」さんによるこの投稿は3日までに1万7000件近くリツイートされ、たちまちバリエーションを生み出した。
「明日から東京都に行くのが怖いです。東京都に入れば埼玉県民は二の次、三の次、全てが都民ファースト。川口駅を過ぎれば都民に席を譲らなければならず、こばとんは焼き鳥にされるのです。もう埼玉県は独立するしかないのです。埼玉県民よ立ち上がるのです。都民に十万石饅頭を投げつけ抵抗するのです」
「明日から東京都に行くのが怖いです。東京都に入れば神奈川県民は二の次、三の次、全てが都民ファースト。川崎駅を過ぎれば都民に席を譲らなければならず、スターマンは苛められ、そうにゃんは首輪の着用が義務付けられるのです。もう神奈川県は独立するしかないのです。神奈川県民よ立ち上がるのです」
このように、埼玉県、神奈川県などの隣県から、宮城県、鳥取県などなど、各地にちなんだ改変バージョンが次々と作成される。
「翔んで埼玉」のツイート数も増加
同じような連想をした人は多かったようで、ツイッターにはこうした「都民ファースト」にまつわるネタが多数書き込まれている。
「どうやら東京メトロ南北線も埼玉高速鉄道との直通運転を取りやめて、赤羽岩淵駅で都民が乗車したのちに埼玉県民を乗車させる事になった模様(当然パスポートの提示が必要)」
「都民ファーストの時代になってしまったからには岩手県民の僕は三級市民として冷遇されることになるのだろう。東京都美術館では入館まで8時間待たされ、上野動物園ではパンダを見ることを許されず、都営地下鉄では窓のない三等車に押し込められる。2020年の東京オリンピックのテレビ中継は白黒だ」
「都民ファーストがこれだけ議席を取ると、周辺県民の不法流入を防ぐため都県境にフェンスをめぐらしそうだな」
「都民ファーストの会直属の憲兵『そこの貴様!居住地を言え!』 埼玉県民『池袋です!』」
念のためだが、もちろんすべて架空の話だ。
都民が隣県の人々を虐げる、というストーリーとしては、魔夜峰央さんの漫画『翔んで埼玉』が有名だ。Yahoo!リアルタイム検索のデータによれば、ツイッターでは、これまで1日10件程度の言及数だったこの作品だが、2日の夜以降、言及するつぶやきが200件に達している。