脳梗塞のリスクを下げるイソフラボン
食生活のもうひとつの特徴は、「豆腐をよく食べる」。豆腐の消費量は全国で最も多く、県内には豆腐料理店も多い。
上野氏は、国立がんセンターが女性を対象に行った研究結果を紹介した。大豆を週5日以上食べる女性は、そうでない女性と比べて脳梗塞のリスクが0.64倍低かったという。大豆に含まれる成分「イソフラボン」が、抗酸化作用により血管が傷むのを予防するとされる。
作家で沖縄の事情に詳しい林真司さんによると、沖縄では昔から養豚が盛んで、飼料として用いられたのが豆腐から出るおからだった。おからは栄養分に優れており、養豚業の副業として豆腐店を営む人が増えたことが、県民にとって豆腐を食べる機会が増える要因になったと考えられる。
食生活以外では、沖縄は気温の寒暖差が少なく、血管に負担をかけない点を上野氏は上げた。脳卒中や脳梗塞は、気温差が激しいところでは起こりにくいからだ。