銅鍋で調理中に焼きそばソースをかけた
急性銅中毒を発症した例が、ほかにもあった。ある弁当店が販売した焼きそばで、複数の人が中毒症状を訴えたのだ。
まず、焼きそばを調理した際に銅鍋を用いていた。長年使用してきたことで、銅鍋の表面にはたくさんの傷がつき、銅がむき出しになった。そこに、焼きそばソースをかけた。これは酸性の調味料で、「水筒とスポーツドリンク」の事例と同じような現象が起きてしまったと考えられる。
調味料では焼きそばソースのほか、ケチャップ、マヨネーズ、酢も酸性だ。
厚生労働省は、銅製の調理器具や食器は原則、食品と接する部分を別の金属でメッキ加工を施さねばならないとしている、洗浄する際に金属製のたわしでゴシゴシこすると、メッキがはげ落ちて銅部分があらわになる恐れがある。
銅中毒になると、肝臓に大きな損傷を与える恐れがある。医師は、自己診断で「食中毒だろう」と決めつけて医療機関を受診しないのが一番怖いと警鐘を鳴らした。