中国人が神格化する「ドイツ製」 引き立て役は「自国製品」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

乱用されるドイツ製「ラベル」

   ただ、ドイツの製造業が確かに「人類が到達できる品質の範疇を超えている」としても、顧客が購入したドイツ製の製品は本当にその顧客が考えている通りのドイツ製だろうか。

   「100年の歴史を持つドイツ製」という言葉が、今では巨大なセールスポイントとなってしまったため、中国でも「ドイツ製」ラベルが甚だしく乱用されている。安価な労働力が不足しているドイツは大量の生産を発展途上国にアウトソーシングする一方で、各国の工場は交易を通して「ドイツ製」の皮をかぶろうとしている。

   「ドイツ製」ラベルが貼られた一つの製品に対し、具体的にどれほどの工程をドイツで行う必要があるのかという基準についてEUは明確に線引きをしてはおらず、一つの製品の90%が海外でつくられていても、最後の工程がドイツで行われていた場合、ドイツの会社は2倍以上の利益を得るという前提でドイツ製のラベルを貼り、最高の価格をつけられるのである。

   しかし、中国人がドイツ製を神格化するのは、それらの製品自身の品質が確かに素晴らしいこと以外に、もう一つ重要な理由がある。それは、中国の同業者の製品が、ドイツ製の素晴らしさを引き立たせてくれるということだ。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

1 2 3
姉妹サイト