中国人が神格化する「ドイツ製」 引き立て役は「自国製品」

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「品質」と「安全」のイメージ

   細部まで感動的な「部品の包み」の話は青島の下水道に限らず、蘭州の中山鉄橋でも新たに登場している。

   2014年に蘭州市政府の公式微博アカウント「@微博蘭州」が、次のようなコメントを発表した。

「鉄橋成立から100年経った2007年、蘭州市政府は鉄橋の設計士であるドイツ人の家族から手紙と小包を受け取った。手紙には鉄橋の設計寿命がもう限界であり、都市の管理部門にメンテナンスさせるために、小包の中に補修パーツのサンプルを入れたと書かれていた」

   残念ながらこれもデマである。しかも、このデマの作成者は蘭州市政府の公式微博アカウントだ。

   1907年に造られた中山鉄橋の設計寿命は80年であり、もしドイツ人が本当にそんなに謹厳であるなら1987年にパーツを送るべきだろう。だが、1987年に送られることはなかった。何故なら鉄橋工事を請け負ったドイツの企業は1946年にとっくになくなっているからだ。そして、蘭州の中山鉄橋は1949年以降幾度も補強・補修工事をしているので、そもそも「補修パーツのサンプル」など必要ないのだ。

   この2つのデマが、極めて広く中国で流布した大きな原因は、「ドイツ製」が中国で非常に高い信頼を得ているからである。多くの中国人にとって「Made in Germany」は疑いようもない品質と「匠の精神」の象徴なのである。

   これは中国人のせいばかりではない。中国に限らず、ドイツ製は世界中で親しまれている。統計サイトStatistaと市場調査会社Dalia Researchが協力して、世界の4万3000人の消費者に行った調査と研究によると、消費者の好感度第1位がドイツ製だったことが明らかにされた。この調査では、中国で高く評価されている「日本製」は8位だった。ドイツ製のイメージは「品質」と「安全」である。

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