2017年2月にスタートした、毎月最終金曜日の「プレミアムフライデー(PF)」。6月30日には5度目を迎えたが、定着にはほど遠いようだ。
翌朝の新聞紙面には「いまいち」「浸透せず」といった文字が並び、6月は四半期決算とも重なったことから、ツイッターでは「普通はそんな暇ないぞ」との指摘が出ている。
「満喫してました」ツイートはきわめて少数
7月1日付の朝日新聞朝刊は、「プレ金いまいち?」の見出しで、PFを扱った。ここでは「ザ・プレミアム・モルツ」(サントリー)のスーパーにおける月末金曜日の販売が、前年同月比で1割増だったなどと紹介する一方で、旅行業界などがあまり恩恵を受けられていない現状を伝えている。
毎日新聞朝刊は「プレ金浸透せず」の見出しで、30日15時すぎの東京・新橋や、銀座の「街の声」を紹介しているが、
「プレ金の日だからって客は夕方から来ない」(飲食店の男性店主)
「3時に退社しても仕事量が減らないなら週末や月曜朝に仕事することになり意味がない」(会社員男性)
といった冷ややかな声ばかりだった。
ツイッターに目を向けても、
「プレミアムフライデーとかなかったわ」
「無関係だからすっかり忘れてた」
「なにそれおいしいの?」
といった反応が多く、「プレミアムフライデー満喫してました」といった、恩恵を受けている人からのツイートは、きわめて少ない。
6月は「四半期決算」とぶつかった
2月(24日)と5月(26日)を除けば、最終金曜日は「その月の最終平日」にあたり、月末締めの会社では多忙となる。また3月(31日)は年度末、4月(28日)はゴールデンウィーク前の最終出社日、そして6月(30日)は四半期決算や棚卸しとバッティングする企業が多い。
「月末締めで、四半期決算で、15時に帰れる民間企業ってあるの?」
「プレミアムフライデーとか言ってるけど月末締め作業でそれどころじゃないw」
「四半期決算やのにプレミアムフライデーできるやつが羨ましい 普通はそんな暇ないぞ」
経産省などからなる「プレミアムフライデー推進協議会」は6月27日、同日付の読売新聞朝刊に「プレミアムフライデー 定着の兆し」と題する記事風の全面広告を出した。だが、J-CASTニュースが6月28日に「『プレミアムフライデー 定着の兆し』 全面広告に失笑... 『虚構新聞』もネタに付でが報じた」と題した記事で報じた通り、ツイッター上ではあきれる声が広がる有様だった。
景気回復につなげたい政府と、休みたくても休めない国民。回を重ねるごとに、その温度差は広がっている。