【ザ!世界仰天ニュース】(日本テレビ系)2017年6月27日放送
「身近な食べ物に潜む恐ろしい危険スペシャル」
食品や虫刺されが原因で、じんましんや呼吸困難といった激しいアレルギー症状を起こすのが「アナフィラキシーショック」だ。最近では、神戸港や名古屋港で見つかった「ヒアリ」に刺されると、この症状が出る恐れがあるとして注目されている。
番組では、夕食後にアナフィラキシーショックを起こした母と娘を取り上げた。食べたのは、お好み焼き。しかも2人とも、食材そのものにはアレルギーはなかったという。原因は実に意外だった。
「お好み焼き粉は古くなかったですか」
横浜市在住の女性は、夕食で自分が調理したお好み焼きを、夫と娘の3人で食べた。食事中「なんか口の中がピリピリしてきた」と違和感を口にしたが、夫は気にならないようだったので、そのまま食べ終えた。
すると、食後10分ほどで女性は息苦しくなった。娘にも異変が起き、「顔が熱いし、息ができない」と苦しそうに訴えた。慌てて夫を呼び、病院へ向かった。診察を待っている間、女性と娘の体にはじんましんが現れてきた。
医師は「症状からしてアレルギー反応」と診断した。そのせいで気管支がつまり、呼吸困難になったのだ。気管支拡張剤を吸入したおかげで症状は和らぎ、その日のうちに快復した。
だが原因がつかめない。後日、2人でアレルギー科を受診した。「お好み焼きを食べた直後にアレルギー症状が起きた」と説明すると、医師から、こんなことを問われた。
医師「お好み焼き粉は古くなかったですか」
実は女性は、自宅で異変が起きた後、気になってお好み焼きで使用した粉を調べていた。すると賞味期限が1年半過ぎていたのだ。
医師「これはダニ経口摂取によるアナフィラキシーだと思います」
ダニが侵入したお好み焼き粉を使っていたようだ。こうした食べ物を口に入れた後、通常10~45分で呼吸困難や意識低下が起きる。通常はダニアレルギーを持つ人に現れる。米国で「パンケーキシンドローム」と呼ばれ、海外では死亡例が出ている恐ろしい症状だ。
小麦粉やコーンスターチにも繁殖するのか
女性の場合、お好み焼き粉の袋を開封した後、開封口を折って輪ゴムで止め、長い間台所で保管していた。その間にダニが折り目から侵入、繁殖したとみられる。仮に開封口がしっかり閉まるチャック式ポリ袋でも、開け口に粉がたまったまま保存しておくと、そこにダニが湧く恐れがある。すると、次に口を開けた時にたまっていたダニが中に落下、繁殖してしまう。
さらに調理で加熱しても、アレルゲンはなくならない。
お好み焼き粉は動物性たんぱく質が含まれている。これが、ダニの繁殖にかかわっているのだ。パンケーキミックスも同じ。ところが同じ粉製品でも、薄力小麦粉や強力小麦粉、コーンスターチは、何年も前に賞味期限が切れている製品を番組が調べたところ、ダニは繁殖していなかった。お好み焼き粉は、特に注意が必要だ。
ダニは家の中のいたるところで見つかる。番組が、ある一般家庭を訪問して調べたところ、ベッドのマットレスには1平方メートルあたり210匹、ソファーは同826匹、台所の食品庫は同1651匹、そして、15年使用しているカーペットには1万9188匹も見つかった。しかも繁殖時期は夏場がピークなので、これからの季節は最も注意を払う必要がある。
ダニは、天日干しや通常の洗濯では死滅しない。有効なのは乾燥機だ。60度以上の高温設定で30分間、洗濯物を詰め込み過ぎないようにして乾燥させると効果が期待できる。掃除機は時間をかけてゆっくり、かけた場所を何度も往復するとよい。