加計(かけ)学園をめぐる問題で追及が続く菅義偉官房長官の会見で、菅氏が思わずニヤリとする一幕があった。東京新聞記者の「追及を『かなりしつこい』と感じるか」という質問に対してだ。
加計問題をめぐっては、東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者の質問数が群を抜いて多く、週刊誌では同記者の「質問力」を称賛する記事も相次いでいる。
反政府集会では「拍手が鳴りやまない」
平日は1日2回行われる官房長官会見は、通常は10~15分程度で終わるが、望月記者が出席する会見は40分近く続く。あいまいな返答で切り抜けようとする菅官房長官に対して、望月記者が同様の質問を繰り返して追及するためだ。
こういった点を週刊誌が注目。
「菅官房長官を動揺させた はぐらかし突破の質問力」(AERA、6月26日号)
「菅官房長官を狼狽させた東京新聞女性記者の『聞く力』」(週刊ポスト、6月30日号)
などと題した特集記事が掲載された。望月記者は、6月22日に参院議員会館で開かれた集会「安倍辞めろ!森友・加計の幕引きは許さない」にも出席。その様子を「週刊女性」7月11日号が
「MCからひと言求められ、拍手が鳴りやまない。逃げることができなくなった」
などと伝えている。
「いや、あのー、まったく感じていません」
ただ、6月28日の記者会見では、テレビ番組の内容を元に望月記者が質問したことに対して菅氏が「事実かどうか、まず確認した上で質問していただきたい」と不快感を示す一幕もあった。この様子を産経新聞は6月29日朝刊で「東京新聞記者に苦言」の見出しで伝え、
「質問を繰り返す記者に対し、相当の忍耐を強いられていたようだ」
と論評していた。
6月30日夕方の会見でも、望月記者は菅氏の正面の席に陣取り、机の上にPCと分厚い書類を広げながら次々に質問。会見開始から20分が経過しようとしたころ、政治ジャーナリストの安積明子氏が
「多くの皆さんが今、関心を持っているところだと思うが、最近の一連の東京新聞さんとかジャパンタイムズさんとかの相次いだ質問。これ、『はっきり言って、かなりしつこい』と、お感じになってるんですか?」
と質問すると、菅氏は
「いや、あのー、まったく感じていません」
とニヤリ。そのまま会見場を後にした。