自民党衆院議員の金子恵美総務政務官(39)が公用車で出勤途中などに息子を保育所に送り迎えしていたことについて、ネット上などで賛否が分かれる激論になっている。
ことの発端は、週刊新潮が2017年6月28日夕に金子氏に「公用車の私的使用疑惑」があるとウェブ版記事で報じたことだ。
自民・金子恵美議員が公務の途中で息子を送迎
29日発売号で詳報しており、それによると、金子氏は、国会閉会翌日の19日朝、公用車を使って衆議院第二議員会館内にある保育所に息子を預け、霞が関に向かった。翌朝も同様に息子を送り、夕方に公用車で迎えに行っている。22日夕も迎えに、23日朝も送りにそれぞれ公用車を使っていた。
さらに、19日昼過ぎは、千代田区内で母親を公用車に乗せ、東京駅まで送った後、総務省へ戻っていたという。こうしたことについて、記事では、「公私混同も甚だしい」との国会関係者の話を紹介して批判している。
金子氏は、新潮の取材に対し、「公私混同しないようにしています」と答えたというが、自らのブログで29日朝、公用車による保育所送迎について釈明した。
公用車については、常に総務省の運用ルールに従っていたといい、同省でも、ルール上問題はないと言っているとした。それは、「公務を行う場所と保育園が同じ」「総務省への経路上で家族を乗せている」ためだという。そして、「私的な目的のために、つまり保育所の送り迎えを前提に、公用車を呼び出し使用したというような事実は一切ございません」と強調した。ただ、「そもそも公用車に家族を同乗させてよいのかというご批判に対し、改めて自身の行為を振り返り、真摯に受け止めたい」とも書いている。
各メディアも公用車送迎についてニュースを流しており、そのコメント欄などでは、送迎について賛否両論になっている。
金子恵美氏に批判的な意見としては、「公務に関係のない私人が同乗するのは良いの?」「子供送るときは、はなから私用車でいけばよかったのでは」「保育所問題もままならない中議員がそんな事してたらダメ」といった声が出た。
「公務の経路上であったので、特に問題はない」
一方、金子氏に理解を示す声も多く、「出勤途中に、ついでに保育園まで送っただけなのに、ここまで騒ぎ立てるような問題か」「流石にこれは許容範囲かな」「こんなこと言ってたら、子育てしながら議員やれる人なんていなくなる」などと書き込まれている。
著名人の間でも議論になっており、タレントの真鍋かをりさん(37)は、6月30日朝放送のTBS系「ビビット」への出演で、「問題として議論されていること自体がおかしい」と金子氏を擁護した。その理由として、「仕事の途中で保育園に送っていくことがダメなんだったら、もう働くお母さん誰1人、仕事と子育て両立できない」ことを挙げた。
これに対し、元衆院議員の東国原英夫さん(59)は、自らのツイッターで金子氏に言及し、「一般国民や働きながら子育てされている方々から見たらどう思われるか」と疑問を投げかけた。そして、「政治家として、公務・政務・私生活の区別を付けていない由々しき事態。その特権階級的行動と意識に問題がある」と批判している。
総務省の会計課は30日、J-CASTニュースの取材に対し、金子氏の公用車送迎について、「公務の経路上であったので、特に問題とは考えていないです」と答えた。同省の官用車使用規則では、家族などを乗せることの是非には触れておらず、ケースバイケースで運用しているとした。私用のためだけはダメと注意したり、日報を書いてもらってチェックしたりしているというが、今後については、規則変更は検討していないものの、改めて私用目的で使わないよう周知徹底したいと言っている。
なお、高市早苗総務相は、30日の閣議後会見で、金子氏から今後は子供を公用車に乗せないと前日に電話があったことを明らかにした。