過去の例では4年間出場禁止の選手も
「デイリー・メール」前出記事ではWADAの委託で行われ2016年に発表された「公式報告」を紹介。「少なくともロシアの1000人のアスリートが同国のドーピング管理過程における『慣行化された改ざん』によって支援を受けているのが分かった」としている。競技別人数は、陸上が200人以上、他13競技でそれぞれ数十人ずつに及んでいる。さらには関係筋の話として、同国のドーピング違反約600件について証拠をつかんでいると主張している。
ロシアは陸上界で国ぐるみのドーピング違反問題が発覚し、国際陸上連盟によって16年8月のリオデジャネイロ五輪では陸上チームの出場が禁じられた。また、テニス界では元世界ランキング1位のマリア・シャラポワが16年1月の全豪オープンでドーピング検査の陽性反応が出た。国際テニス 連盟(ITF)によって1年3か月の資格停止処分を受け、17年4月にようやく復帰がかなった。
競技外でも、ロシア・アンチ・ドーピング機関の元幹部であるビャチェスラフ・シニョフ氏とニキータ・カマエフ氏が16年2月に相次いで死亡するなど、同国ではドーピングをめぐって不穏な状況が続いていた。
国際サッカー界では過去、元サウジアラビア代表のモハメド・ヌールが15年11月に禁止薬物の陽性反応が出たため、事態を重く見たFIFAがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えると16年12月、同選手に4年間の試合出場停止処分が下された例がある。