米国のトランプ大統領のツイッターでの「暴走」が止まらない。これまでも自らに都合が悪い報道を「フェイクニュース」なとど罵倒することは日常茶飯事だったが、今回はテレビ番組のキャスターを「頭がおかしい」「精神病質者」などと罵倒した。
テレビ局側は「つまらない個人攻撃」だと反発しており、身内の共和党からも「全く不適切」だと批判が出ている。
「彼女はしわ取り手術の痕から、ひどく出血していた」
トランプ氏がやり玉にあげたのは、ニュース専門局MSNBCの報道番組「モーニング・ジョー」。2017年6月29日深夜(日本時間)、トランプ氏は
「低視聴率の『モーニング・ジョー』が、私の悪口を言っていると聞いた(もう見ていないが)。では、どうして低IQで頭がおかしい(Crazy)ミカは、精神病質者(Psycho)のジョーと大晦日ごろに3日連続でマー・ア・ラゴ(編注:フロリダ州にあるトランプ氏の別荘)に来て、私に会いたがっていたのか。彼女はフェイスリフト(編注:顔のしわ取り手術の痕)から、ひどく出血していた。私はノーと言った」
とツイートした。文中の「ミカ」「ジョー」は、それぞれ番組キャスターのミカ・ブレジンスキー氏、ジョー・スカボロー氏を指しているとみられる。トランプ氏でも容姿と関連付けて人格攻撃を展開するのは珍しく、今回の発言には批判が相次いだ。
MSNBC「今日は米国にとって悲しい日だ」
MSNBCは、ツイッターで
「今日は米国にとって悲しい日だ。大統領が仕事をするのではなく、いじめやうそつき、つまらない個人攻撃に時間を費やしている」
と非難声明を出した。民主党のダイアン・ファインスタイン上院議員は米メディアの取材に
「これが米国の大統領なのか」
とあきれた様子で、記者の「これは性差別的な攻撃と思うか」という質問には、
「その通りだ」
と断言した。
ホワイトハウスは「単に座って攻撃されるようなことはしない」と擁護
「身内」であるはずの共和党のスーザン・コリンズ上院議員は、別のMSNBCの番組で、ツイートは「全く不適切」で「こんな不作法な言葉を使う必要は、まったくない」と発言。トランプ氏を非難した。
一方、ホワイトハウスのサンダース副報道官は定例会見で、トランプ氏は番組の中で「情け容赦なく攻撃」されており、
「単に座ってリベラルメディア、ハリウッドのエリートの攻撃を受けるようなことはしない」
と主張。トランプ氏の「反撃」を正当化した。