信号機の「密度」が世界トップクラスの日本では、都市部を走る車両の平均時速はたった15キロ。この数字は、男性ランナーの平均ランニング速度とほぼ同じ――。こんな驚きの調査結果をまとめた一本の動画が、いまクルマ好きの間で話題となっている。
この動画は日産自動車が公式ウェブサイトで公開したもので、タイトルは「信号大国ニッポン」。信号密度の高さゆえに「ストップ&ゴー」を繰り返す日本での運転は、ドライバーにとって「ストレスが多い」と分析する内容だ。
さらに動画では、こうした日本の運転事情の下では、スムーズな発進・停止が可能な電気自動車の走りが「ドライバーのストレスを減らす可能性がある」という専門家のコメントも紹介している。
電気自動車の走りで運転時のストレスが減ることは、本当にありえるのだろうか。
そこでJ-CASTニュースでは今回、市街地運転の「プロ」と言えるタクシー運転手に着目。複数の運転手に動画を見た感想を尋ねるとともに、日産の大ヒット車「ノートe-POWER」を都内で試乗して貰うことで、都市部での運転における「電気の走り」の可能性を探った。
「電気自動車の可能性」を探った
日本に信号機は20万以上
今回の「信号大国ニッポン」は、公的機関の発表資料や日産の独自調査をもとに、信号機の設置台数が多い日本の交通事情を分析した動画だ。実際、動画の中では、交通心理学を専門とする実践女子大学の松浦常夫教授のコメントとして、
「電気自動車のスムーズな走りがドライバーのストレスを減らす可能性はある」
という言葉を紹介している。
日産が制作したこの動画はクルマ好きの間で話題を集めており、ツイッターやネット掲示板には、「都市部は本当に信号自体多い」「なんとかしてほしい」といった共感の声が数多く見つかる。
ただ一方で、電気自動車の走りが運転ストレスを軽減する可能性があるという点については、一部で「懐疑的」な見方が出ていることも確かだ。
そこでJ-CASTニュースでは、
「本当に電気自動車で運転ストレスが軽減できるのか?」
というテーマのもと、ほぼ一日中市街地を運転している都内のタクシー運転手に直撃取材。さらに、エンジンの出力を発電だけに限定し、走行は100%電気モーターで行う日産「ノート e-POWER」を都内で運転してもらい、その感想を聞いた。