個人輸入と称して実態は販売
厚労省は健康上の問題だけでなく、医薬品の流通面でも問題があるとしている。ピラセタムは医薬品医療機器等法(薬機法)で「処方箋医薬品」に指定されており、自由な売買は禁じられている。患者が医師からの処方箋を持って薬局で受け取るしかなく、誰もが服用できるわけではない。
しかし、一定量であれば本人が服用する場合に限って海外から個人輸入によって入手することが可能なのだ。つまり、薬機法の穴を利用してスマートドラッグとして購入することができる状態にある。さらに「スマートドラッグの個人輸入代行」などと謳い実質的な販売行為を行っていると思われる業者も存在しており、医師の指導下で服用すべき医薬品が自由に服用できる状態になってしまっているのだ。
最近は流通の穴を利用して偽造薬が出回った事件も話題になっており、医薬品流通の見直し、厳格化が求められているのも、今回の発表の一端にあるかもしれない。
厚労省によると現在対策案として「処方箋がなければ個人輸入も認めない」という方向性を示しており、インターネット上の情報をもとに「スマートドラッグ」のリスト化を進めると共に、医療団体や学会からの意見を踏まえ、具体的な規制方法を策定するとしている。