東京都議選(2017年7月2日投開票)に、あの「都知事候補」たちが殴り込みだ。都民ファーストの会と自民党の対決ばかりが注目を集めている今回の都議選だが、2016年の都知事選に出馬した候補者たちが、4人も出馬している。
6月27日、東京・秋葉原に、マック赤坂氏(68・無所属)をはじめとする3候補が集結した。
マック氏、今度こそと本気モード
「私はこのまま、棺桶に入るわけにはいきません。冥土の土産として、当選証書をいただけませんでしょうか」――ピンクのサイリウムを片手に、マック氏が叫ぶと、観衆からは「おおっ!」「いいぞー!」と歓声が沸いた。秋葉原駅前の「AKB48カフェ&ショップ」前、この日のマック氏はおなじみのコスプレ姿ではなく、黒いTシャツに、「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン」のキャップをかぶり、選挙たすきを首に引っ掛けた出で立ちである。数々の選挙に出馬、派手なパフォーマンスで知られるマック氏だが、今回はかなり「本気度」が高い様子だ。
路上でその姿を見守るのは、NHKへの激しい批判で知られる「NHKから国民を守る党」代表で元船橋市議の立花孝志氏(49)、そして都民ならぬ「国民ファーストの会」を名乗る後藤輝樹氏(34)だ。マック氏は世田谷区から、立花氏は葛飾区から、後藤氏は千代田区から、それぞれ都議選に出馬している。
3人の共通点は、2016年の都知事選を戦ったことだ。歴代最多となる21人が立候補したこの選挙で、マック氏は約5万票(6位)、立花氏は約3万票(8位)を獲得、約7000票(13位)の後藤氏も、軍服姿の選挙ポスターと、放送禁止用語を連発する政見放送がネットを中心に話題を呼んだ。
その異色候補たちが、今度は都議選を舞台に、再び都政に挑戦する。選挙カーの周囲には、テレビ局やスポーツ紙などの取材陣を含め、狭い通りに数十人が集まって、演説を見守った。
「1人くらい、こんな都議がいても...」
まず登場したマック氏がこのままでは都議会が「小池チルドレン」だらけになるとして、「必ず私は、あの新宿の都議会をぶち壊します!」と宣言すれば、後藤氏が、「こういう人が都知事になったらちょっと心配かもしれません、でも、東京都議会127人いて、1人ぐらいマック赤坂みたいな人がいてもいいじゃないか!」とアジる。立花氏が「僕は今回の選挙、当選するとは思ってません。NHKの『被害者』をお守りするために出ています。ですがいずれは国会議員になって、国会でNHKをしばき倒して、ぶっ壊しますから!」と叫べば、マック氏が、「まさしくNHKは日本の恥部です!」と応じる。あるときは禁止用語を連呼し、あるときは大真面目に持論を語る3人に、秋葉原の聴衆は大いに盛り上がる。
演説を終え、選挙カーを降りた3人の元には、握手やサインを求める人の群れが。立花氏は「NHK撃退シール」を一人ひとりに配り、後藤氏はハート形のサングラス姿で記念写真に応じる。一方、世田谷区民が聴衆の中に3人しかおらず、マック氏ががっくりする場面もあった。
都知事選立候補者からは、3人のほか、杉並区から高橋尚吾氏(33・無所属)が立候補している。