なぜ年齢が影響しているのか
ところで、なぜ父親の年齢が上がると子どもはギークになるのだろうか。研究者らは環境要因も含めて様々な理由を推測している。
まず考えられるのは高齢であるほど若い父親よりも社会的・経済的に優位にあり、子どもに対してより豊かな教育環境や興味のあることに没頭できる環境を与えられる可能性だ。他にも高齢の父親は息子の変わった特性に理解を示しやすく、「普通」であるよう矯正しないのではないかといった理由も挙げられている。
ただし、今回の調査結果から「ギークな息子が欲しい人は高齢になって子どもを作ろう」という話にはならない。以前から父親が高齢だと子どもが自閉症や統合失調症を発症するリスクが高くなることが指摘されているのだ。
筆頭筆者であるマグダレーナ・ヤネッカ博士は「自閉症患者特有の遺伝子は高いIQと関連していることを示す研究もある」とし、
「高齢の父親から生まれた息子は学校で優れた成績を残し、優秀な研究者、技術者となる可能性は高いかもしれませんが、だからといって意図的に高齢になって子どもを作るような家族計画は高リスクであり、まったく推奨できません」
とコメントしている。