豊富な店舗網の活用
一方、ドンキは業務提携で何を狙っているのか。複数の流通関係者は「やはり、スーパーやコンビニという豊富な店舗網を活用したい、ということではないか」と見る。特に、総菜などを強化しているコンビニは超高齢社会の中で今後も成長を遂げるとみられており、コンビニを持たないドンキにとって、コンビニと提携する価値は少なくない。「長崎屋再建というある種の成功体験から、スーパーの売り場の有効活用にも自信があるのだろう」と指摘する関係者もいる。
両社の業務提携の検討は始まったばかりだが、とりあえず考えられるのは、商品の共同仕入れ、物流合理化によるコスト削減に加え、人手不足が深刻化する中で店舗の共同運営を試みることになりそうだ。商品の共同開発から、両社の知見を生かした新規事業開拓などの協業に発展するかもしれないが、どんな結論に至るかはまだ分からない。
少なくとも現時点では資本提携はしないとも言っている。ただ提携の内容次第では、これまでにない大型流通グループの新たな挑戦が始まる可能性があり、セブン‐イレブンを傘下にもつセブン&アイHDやイオンなど流通大手も注目している。