映画「バトルシップ」の放送中止が、ネット上で思わぬ「祭り」に発展した。
放送があったはずの時間帯にDVDなどで作品を鑑賞しながら、「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」というタグをつけてツイートするという趣向だ。実際に作品に出演した俳優の浅野忠信さん(43)も「参戦」し、ツイッターの「トレンド」入りするほどの盛り上がりを見せた。
放送なしでもツイッターの「トレンド」1位に
「バトルシップ」は「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で2017年6月23日に放送予定だったが、19日に放送中止が発表された。番組の公式ツイッターには、「理由が分からない」などと「批判の集中砲火」を浴びせられていた。
放送中止が発表された19日、あるツイッターユーザーが同番組放送開始の21時に合わせ、不特定多数の参加者が同時に「バトルシップ」を観賞する「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」を開催することを提案。参加表明が相次いだ。
映画の地上波放送時には、同じ映画を同じタイミングで鑑賞することや、名場面や名セリフを共有することを楽しみにしているファンも多い。ジブリアニメ「天空の城ラピュタ」の放送時には、滅びの言葉「バルス」がツイッターの秒間ツイート数世界記録を塗り替えるなど、ツイッターでは地上波放送ならではの鑑賞法が確立されている。今回の「バトルシップ」もツイッターが「お祭り騒ぎ」に発展する映画のひとつだ。
「代替同時鑑賞祭り」への参加は自由で、DVDやブルーレイディスク、ネット配信サービスなど、視聴媒体は「何でもあり」。「金曜ロードSHOW!」の放送開始時間に一斉に再生ボタンを押し、ハッシュタグ「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」を使って「実況中継」する。不特定多数の視聴者と映画を分かち合い一体感を得られる、というわけだ。
放送予定日だった23日の21時を迎えると各家庭で一斉に上映が開始されたのか、数分のうちに「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」がツイッターのトレンドワードランキング1位に浮上した。映画の進行とともに「どうだ!ブリトーだぞ!」「みょうこう!!」「ジミーに開けないものはない」など、熱い実況ツイートが続々と投稿され、映画が放送されていないにもかかわらずツイッターのトレンド首位に鎮座する珍事となった。
浅野忠信「監督にも今夜の事は報告しておきました!」
さらに驚くことに、映画も終盤に差し掛かり佳境を迎えたころ、準主人公「ナガタ」役の浅野さんがこの奇祭に参戦。「#バトルシップ放送中止代替同時鑑賞祭り」のハッシュタグと「ナガタ」の名前で、
「ありがとう!」
「エイリアンが来たときは俺に任せろ!」
「あいつアホだな!」
「こいつはへヴィーだったぜ!」
「バトルシッッパー諸君!! みんなの協力で勇気をいただけた! また会おう!」
と、自身のツイッターに投稿し、バトルシッパー(バトルシップのファンの愛称)を沸かせた。浅野さんは、ピーター・バーグ監督にもこの盛り上がりを報告したという。
主人公「アレックス・ホッパー」の吹き替えを担当した声優の置鮎龍太郎さんも、「ホットワードが熱くてビックリしました!(笑)」と驚きを隠せない様子だ。
翌24日にもトレンド入り(12時45分現在)を続け、
「本当バカだよな(褒め言葉)」
「みんなでワイワイ見られたことに感謝の念しか残ってない」
など、なおもバトルシッパーから熱いコメントがツイートされている。