中国決済市場で出遅れる
ネットに数多くのオリジナル記事を公開している筆者の友人は、ほぼ毎日「打賞」を得ており、日本円にして一万円超えた日も少なくはない。「打賞」の中には大きな利益が含まれており、アップルは放棄しようとは思っていないだろう。
データを見てみると、世界一のモバイル決済市場の中国では、アリババ傘下の「アリペイ」、テンセント傘下の「テンペイ(ウィーチャットペイ+QQウォレット)」が市場総シェアの91.12%を占めている。米国市場の3分の1余を占めているアップルの決済ルートが、中国ではわずか1.88%の「その他」に押し込められており、中国ではアップルがかなりいらいらしていると思われる。
そこで、アップルは反撃に出始めた。「中国人がアップルのスマホを使ってどれほど大金を使おうと、プロバイダーがアップルのスマホを使ってどれだけ稼ごうと、アップルになんのメリットもないなどということが許されるのか?30%のアップル税を徴収する!相談の余地などない!」というわけだ。
しかし、大部分の中国人はアップルのこの行動が、あまりに貪欲で、人情に背くものだと感じている。中国人として見ると、微信でのつぶやきや知乎(のコラムにすばらしい文章を書いてくれた作者に10元(約170円)を「打賞」することが、アップルといったい何の関係があるのか?どうしてアップルがその度にそこから3割の金額も持っていくのか?理解できないのだ。
アップル税の導入は、iPhoneなどのアップル機器を使う中国の消費者にとって、短期的にはいたしかたないと感じさせるかも知れないが、長期的に見ると、消費者に対する利便性の損失は必ずユーザーの忠誠度の低下を招くに違いない。ほかの携帯端末と違い、iPhoneを使って「打償」すれば3割取られてしまうこと自体、iPhoneユーザーとしては快いことでもない。