日本トイレ研究所が、「小学生の排便と生活習慣に関する調査」の結果を公開した。対象は全国4777人の小学生(男女)の保護者・同居者で、インターネットで調査を行った。子供と同席の上、保護者らが代理回答する形で行われた。
調査は2017年6月19日に公開された。「学校のトイレでうんちをしますか」という質問に対し、51.3%が「まったくしない」「ほとんどしない」と答えた。
6人に1人が便秘
また、「あなたは学校でうんちをしたくなった時、我慢することはありますか」という質問に対しては「よくある」「ときどきある」という回答が56.4%、「あなたは学校でうんちをする際、人目を気にして人の少ないトイレを選ぶことがありますか」という問いには「よくある」「ときどきある」という回答が47.4%となった。この調査は昨16年も行っており、それぞれ49.7%、52.8%、50.2%となっており、数字に大きな変化はない。
同研究所は、「小学生の便秘」というテーマにも焦点をあてている。同調査では対象全体の小学生の6人に1人、「便秘予備軍」という軽度の便秘状態にある人も含めると3人に1人は便秘とされている。大人の便秘については、調査会社インテージ(東京都千代田区)により行われたインターネットでの調査(2013年1月30日~2月7日実施、対象は20~69歳の男女計1000人)によると、「便秘を経験・気にしたことがある成人」は約20%(5人に1人)だった。
「うんちをすると友達にからかわれる」
「学校のトイレでうんちがややしにくい/しにくい/とてもしにくい」と答えた子供2151人が感じる「学校のトイレでうんちがしにくい理由」(複数回答)については、「友達に知られたくないこと」が57.0%、「落ち着かないこと」が49.2%、「うんちをすると友達にからかわれること」が34.9%、「和式便所」が29.3%と続いている。
小学校のトイレの状況について、同研究所の担当者に6月21日、話を聞いてみたところ、
「私たちも公立学校に洋式トイレをプレゼントしておりまして、いま学校の洋式トイレは増えてきてはいますし、環境面ではよくなりつつあると思います」
と語る。文部科学省が2016年11月に発表した「公立小中学校施設のトイレの状況調査」の結果によると、洋式便器が43.3%、和式便器が56.7%となっている(同年4月1日現在)。
ただ、問題は便器の和洋の違いだけではなく、先の担当者は
「たとえば男子児童であれば、個室に入った時点で『ああ、あいつは大きいほうをするんだな』と思われてしまうわけで、そこに心理的な壁ができてしまうとは思います」
と分析。そのため同研究所では、講演やワークショップを通して「うんちを我慢することは健康によくない」「小学校で排便をすることは恥ずかしいことではない」などと伝え、うんちに対する意識レベルでの改革にも努めているという。