乳がんで闘病中だった妻・小林麻央さんが亡くなったことを2017年6月23日午後、都内で会見を開き報告した歌舞伎役者の市川海老蔵さん(39)。
会見中、海老蔵さんは麻央さんとの日々に思いを馳せながら、「愛」という表現を繰り返し使って、その人柄を語った。
「私をどこまでも愛してくれていた」
麻央さんが息を引き取る前の最期の一言が「愛してる」だったことについて、海老蔵さんは、
「なんと言うんでしょうか、こんなに愛されていたのは良く分かっていたんですけど、最期の最期まで『愛してるよ』と言ってくれたことに...なんとも言えませんね」
と涙を流しながら、最期まで自分に愛を伝えてくれた麻央さんに言葉が出ないようだった。
辛い闘病生活のなかでも気丈に振る舞っていた麻央さんのその生き方については、
「笑顔と勇気と愛情、そして決してブレない自分、そしてどんな状況でも相手のことを思いやる気持ち。愛ですよね。そういった力が最期までブレず、一昨日まで笑顔で...」
と、麻央さんの大きな愛を痛感していた。
海老蔵さんにとって麻央さんがどういう存在だったか尋ねられると、しばらく考え込んだあと、
「とにかく私をどんな部分も、どこまでも愛してくれていた。存在っていうのは、うーん...存在ね...できればずっと一緒にいて、私の方が先に逝って...彼女にはもっと幸せに、もっと楽しく、家族やお友達や、家族――(麻央さんの姉の)麻耶さんやお母さんやお父さん、そして私が役者として成長していく過程をずっと見守ってもらいたかった存在です」
と早すぎる死を悔やんだ。
ブログを始めた理由も明かす
「元気になったら彼女は、自分が歩んできた過程の病、乳がんやそれに伴う病に対して、自分が治ったらば、こうしたい、ああしたい、多くの人の救いになれるような存在になりたいということで、一生懸命闘病していました」
と、麻央さんの描いていた未来について明かし、ブログを始めた理由もここに由来すると語った。
「ブログを始めて、何か同じ病の人たちや苦しんでいる方々と悲しみや喜びを分かち合う妻の姿は、私からすると、人ではないというか...すごい人なんだな」
とその偉大さを考察し、
「総合的に教わったこと、今後も教わり続けることは愛なんだと思います」
と、麻央さんの愛情に感じ入った。
麻央さんから託されたことは多過ぎて言葉に出せないと言い、特に子どもたちについては、
「これからお母さんっていう存在が彼女や彼には非常に重要な存在になっていくではないですか。それをやはり、失った...僕は代わりにはなれないですが、できる限りのことをやっていくように思っています」
と、麻央さんの分も子どもたちに愛情を注いでいくことを誓った。
思い出される麻央さんの姿としては
、「お姉さん・麻耶さんがちょっと調子悪くなったとき、例えば私が舞台で非常に疲れた時も、彼女自身はやはりもっと重い病にかかっている。そして、お母さまが看病で疲れている時も、麻央の方がもちろん大変なのに、やはり自分よりも相手のことを心配する優しさ――こういう言葉ということではなくて、どこまでも自分よりも相手のことを思う気持ち...これが一番多かったですね」
と述べ、改めて麻央さんの愛に気づかされていた。その愛が「僕を変えた」とも語った。
会見を通して、海老蔵さんは麻央さんの「愛」の大きさを痛感している様子だった。