将来赤ちゃんを産むための人間ドック
イノッチ「怖い項目がたくさん並びますね。妊婦さんに不安を与える内容ではないですか。妊娠してからの検査では間に合わないのですか。たとえば、妊娠すると、胎児にたくさん栄養を与えなくてはいけないと、いっぱい食べて太る人だっているじゃないですか」
ここで、日本で初めて「プレコンセプションケア外来」を立ち上げた、国立成育医療研究センター母性内科医長の荒田尚子医師が登場し、イノッチの疑問にこう答えた。
荒田医師「日本の産科医療技術は世界一です。しっかり対応していますから心配はありません。ただ、妊娠前に自分の病気や体の状態をよく知っていれば、胎児へのリスクを減らすことができます。たとえば、血糖値や血圧を調べれば糖尿病か高血圧かわかります。妊娠する前に適切な治療を受け、治しておくことができます。また、妊婦さんの2割はやせすぎ、1割は肥満という統計があります。これも妊娠前に適切な体重にしておくことができます」
実際の検査はどんなことをするのか。体重、身長、血圧、血糖値など12項目で通常の健康診断の内容とさほど変わらない。ただ、甲状腺の数値や風疹のウイルスの有無、葉酸の摂取量など、妊娠関連の項目があり、妊娠・出産を前提にした問診も詳しく行なわれる。自由診療のため、基本料金は約3万5000円と高く感じられるのがネックといえばネックかもしれない。妊娠・出産でリスクになる要因をチェックできるだけでなく、必要があればすでにある持病の治療も行なう。
荒田医師「将来、赤ちゃんを産むための人間ドックと考えてもらえばよいと思います。できれは、自分の体を知っておくために、思春期を過ぎた時に一度、プレコンセプションケアを受診することをオススメします」