東京都議選の告示を2017年6月23日に控え、公明党と共産党の「場外乱闘」が激しさを増している。公明党が広報ツイッターの公式アカウントで共産党を名指しして「汚い!」「危険!」「北朝鮮!」の「3つのK」だと非難したのに対して、共産党側は「これは絶対に許せない」(小池晃書記局長)と激怒している。
もっとも、公明党にとって、こういった共産党批判は「日常茶飯事」。機関紙「公明新聞」では、ここ1か月だけでも共産党のことを「厚顔無恥」「扇動体質」などと罵っている。ツイッターへの批判が寄せられた翌日の6月22日の紙面では、共産党の「3つのK」をさらに詳しく解説する記事を載せて「反撃」するほどだ。
共産党は「誹謗中傷」「謀略政党」と反発
問題となった21日昼のツイッターの投稿では、
「3つのKでわかる 共産党ってどんな党?」
と題して、
「汚い!実績横取りのハイエナ政党」
「危険!オウムと同じ公安の調査対象」
「北朝鮮!『危険ない』と的外れな発言」
などと「3つのK」をイラスト付きで説明した。この内容は、6月20日の公明新聞に掲載された内容だ。
ツイッター投稿の直後から、共産党からは反発が相次いだ。21日14時過ぎには、共産党のPR部隊「カクサン部」のキャラクター「雇用のヨーコ」が、ツイッターで
「あまりにひどい誹謗中傷を、公式アカウントで堂々と発信する公明党。この手の悪口を内部文書に書いて支持者に信じ込ませ、口コミで広げてたのは知ってたけど、まさかTwitterでやるとは」
と書き込みを非難。
小池氏も
「こういうのを『怪文書』というのではないでしょうか。恥ずかしくないのかしらね」
「これは絶対に許せない。謀略政党としての本質あらわ」
とツイッターで憤った。
これに加えて共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は6月22日、小池氏の発言を 「反共デマ宣伝に対し『事実無根の攻撃だ。厳しく抗議したい』と語りました」 と伝えた。
志位和夫委員長も6月21日21時ごろ、
「長年、この党の共産党攻撃を見てきましたが、かつては『理論的』な攻撃もあったものです。劣化いちじるしいと感じます」
とツイッターに書き込んでいる。
防犯カメラ反対には「何かマズイことでもあったのでしょうか。不思議でなりません」
都議選をめぐっては公明・共産の両党は熾烈な戦いを続けている。公明党側の共産党批判は今回に始まったものではない。今回問題になったツイッターの書き込みは、6月20日に機関紙「公明新聞」の若者向けコーナーに掲載された内容を転載したものだが、同紙では、ここ1か月ほどでも激しい共産党批判を展開している。
5月25日には、
「マスコミが報じる共産党の厚顔無恥ぶり 私立高無償化『公明の実績』を横取り」
と題した記事を掲載したのに続いて、2面の「一刀両断」と題したコーナーでは、
「共産、北と『兄弟党』ゆえに...ミサイル抗議 反対した唯一の党」(5月17日)
「『豊洲』を児童施設に 共産都議が驚くべき発言」(6月7日)
「共産、次は『テロ準備罪法』廃止」!? 『現代の治安維持法』とレッテル張り 選挙目当ての扇動体質を露呈」(6月20日)
といった見出しで共産党を批判。特に6月15日に
「共産は防犯カメラが嫌い!?市民の安全守るのに不要と 都議会など各地で設置に反対」
と題して掲載された記事は、
「今日、防犯カメラは市民の安全・安心を守る上で大きな効果を発揮し、その必要性が広く社会的に認知されています。共産党は、どうして各地で防犯カメラの設置を嫌がってきたのでしょうか。何かマズイことでもあったのでしょうか。不思議でなりません」
などと、思わせぶりな書きぶりになっている。
共産党は「キレイ!」「キレキレ!」「クナンーケイゲン!」の「3K」主張
ツイッターへの批判が相次いだ翌日の6月22日の紙面に至っては、 「選挙目当てのパフォーマンスを繰り広げる共産党について、『どんな政党か知りたい』との声が本紙に寄せられています。そこで同党の実態を『3つのK』でまとめました」 として、20日の紙面の4倍以上のスペースを使って共産党の「3つのK」を改めて解説。さらに攻勢を強めている。
公明党は機関紙での共産党批判以外にも、16年10月に『日本共産党の矛盾と欺瞞』と題した書籍を出版している。
共産党は、「ソフト路線」でも対抗を試みている。6月22日15時前、「カクサン部長」が4か月半ぶりにツイッターを更新し、
「これが、いま話題の『3Kでわかる共産党(公式版)』ッス」
と、共産党側が主張する「3K」を主張。この「3K」は
「キレイ!ひもつき献金いっさい受けとらず」
「キレキレ!政策論戦で堂々勝負」
「クナンーケイゲン!国民の苦難軽減が党をつくった原点」
を指すといい、公明党と同様にイラストつきで解説している。