高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
それでも挙証責任は文科省にある 「加計」問題で同省OBと対論

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   加計学園問題は、マスコミの資質をチェックするリトマス紙だ。

   文科省内部文書にすぎないものを金科玉条のように扱うマスコミは二流だ。既に公表されている文科省、内閣府合意済みの公式の特区会議議事録から見れば文科省文書はでっち上げにも見える。詳しくは前回コラム「『総理の意向』の正体 加計学園めぐる文科省の『言い訳』(2017年6月8日配信)」を参照されたい。

  • 加計学園をめぐる問題はどうなるのだろうか
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獣医師の需要見通しについての「挙証責任」

   6月16日のテレビ朝日「ワイドスクランブル」は興味深い。文科省OBの寺脇研氏も出演するので、筆者と2人で議論して欲しいというものだった。寺脇氏は、前川・前文科事務次官の立場を忠実に反映しており、筆者と対論させれば、より真相が解明されるだろうというテレビ朝日の意図があったのだろう。

   番組では、筆者が加計学園問題の経緯を話し、「文科省文書」が書かれる以前に、文科省と内閣府の事務方の協議は終了していること、その後に文科省文書の中で「総理の意向」なる文言が出てきたが、それは文科省内のでっち上げの可能性があること、などを指摘した。

   その前提として、2015年6月の閣議決定の中、特に獣医師の需要見通しについての「挙証責任」は文科省にあることも指摘した。

   これに対して、寺脇氏は、筆者の言う通りに「文科省に挙証責任があれば、これまでの内閣府の行動は納得できる」とした上で、文科省の意見として「挙証責任は文科省の側にはない」といった。これは前川氏が記者会見で述べたことと同じである。

   ここまでは良かった。しかし、メインキャスターの橋本大二郎氏が、筆者やコメンテーターの末延吉正氏の発言を遮って、議論する時間を浪費した。

   時間があれば、寺脇氏を論破するのは簡単だ。許認可官庁に説明責任があるからだ。こうした交渉基礎知識は、既に2年前の特区会議議事録にも書かれており、議論としては終了済みであり、文科省も認めざるを得ないものとなっている。

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