100歳長寿者はみんな肉をモリモリ ダイエットに認知症予防に驚異の力

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【美と若さの新常識 カラダのヒミツ】(NHKBSプレミアム)2017年6月15日放送
ダイエット女子必見 肉でキレイに!

   今なお、憧れの女性として名前が挙がるマリリン・モンロー。ボン・キュッ・バ~ンの見事なボディー。食事には相当気を使っていた...と思いきや、彼女の食事は毎晩「肉」「肉」「肉」だった。

   あのスタイルと美貌、弾けんばかりの若々しさ。その秘密は「肉」にあったようだ。最新科学の現場から、食べるとやせてキレイに、さらに体ばかりか脳まで健康になる「肉」の魅力を紹介する。

  • 肉はワイワイ食べると美容にもいい?
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食事制限中に肉を増量するとさらにやせた!

   「肉はダイエットの敵」と思っている女性は多い。だが、実はダイエットや美容では肉を多く食べた方がいい。女子栄養大学の蒲池桂子教授によると、その理由は3つある。

(1)肉(タンパク質)を食べると、消化のエネルギーが30%アップする。
(2)肉(タンパク質)を食べると、筋肉が増強され代謝がアップし、消費エネルギーが増える。リバウンドしにくい体になる。
(3)多様なアミノ酸を一度に効率よくとることができ、細胞のすみずみまで活性化、内側からキレイになれる。

   番組では、ダイエット中のお笑い芸人・やしろ優さんに肉をモリモリ食べてもらい、さらにダイエット効果を上げるという「無謀な実験」を行なった。やしろさんは、結婚披露宴で可愛い花嫁姿を披露したくて糖質制限の食事を続け、79.4キロだった体重を68.7キロまで減らした。彼女の体のデータを調べた蒲池教授は、あることに気づいた。体重が約11キロ減ったのはいいが、筋肉も1.3キロ減った。「肉を食べて筋肉を増やせば、もっと体重が減るはず」と考えた。そこで、やしろさんに糖質制限の食事内容はそのまま続けるうえで、毎日180~200グラムの肉(豚肉・牛肉)を献立に加えることを課した。

やしろ優さん「ええっ、食べる量とカロリーが多くなるのだから、逆に太っちゃうじゃないですか!」

ともあれ朝はスープに豚肉、昼は炒め物に豚肉、そして夜はもやしに豚肉を入れ......。毎日約200グラムの肉を多く食べた3週間後――。お見事! 体重68.7キロが67.0キロに1.7キロ減ったうえ、体脂肪も0.6%減ったのだ。

体調不良の女性が肉を食べると元気でキレイに

   番組ではもう1つ、肉を食べると体調がよくなるマジックを行なった。長くカラダの不調を抱える34歳の主婦・大城チエさん。疲れやすい、眠れない、貧血気味、肌が乾燥する、冷え性などの症状に悩まされてきた。チエさんは子供のころから肉のアブラが大の苦手で、肉を進んで食べられない。そこで料理研究家の今泉久美さんがとっておきの肉料理を伝授した。「エリンギ入りハンバーグ」だ。赤身の豚と牛の合いびき肉を使い、エリンギをみじん切りにして練りこむ。エリンギなどのキノコ類は、加熱すると水分とうま味成分が出てきて肉汁代わりになり、魔法のように食べやすくなるという。

   チエさんは、今泉さんと蒲池教授から肉料理の指導を受け、2週間さまざまな肉料理を食べ続けた。そして蒲池教授が体のデータをとると、劇的な変化が表れていた。全身の筋肉量が0.3キロアップ、特に太ももが約1キロも増えた。体長不良のため休んでいた阿波踊りの練習に参加。いつも疲れて途中でやめていたが、この日は最後まで踊り抜いた。

チエさん「母親から顔色が良くなったと言われました。手がいつもカサカサしたのですが、今はしない気がします。髪の毛もペタッとしていたのが、ふわっとした感じがします」

   この変化について静岡県立大学の横越英彦名誉教授はこう説明する。

「私たちの体は、髪の毛も皮膚もタンパク質でできています。それが新陳代謝で、常に新しいものに変わっています。その時の原料になるのが食べ物からとるタンパク質。それが足りないと手がカサカサになったり、髪の毛のボリュームがなくなったりします。一番大事なのは、私たちの体は日々作り変えられていること。その原料がタンパク質で、それを一番効率良く取れるのが肉なのです。本当に健康長寿につながる食材だと思います」

100歳長寿者の食べ物の1位豚肉、2位豆腐、3位鶏肉

   100歳以上の長寿者がいつも食べているものを調査したデータがある。週3日以上食べるものの1位は豚肉、2位豆腐、3位鶏肉、4位サケ(鮭)、5位キャベツ、6位納豆、7位ヨーグルト、8位リンゴ、9位サバ、10位梅干し。野菜が少なく、肉と魚が多いことがわかる。また、肉を多く食べると、脳の働きを活発にして認知症などになりにくいのだ。

横越教授「脳が記憶をしたり学習したり、ちゃんと機能するためには神経伝達物質が欠かせません。脳の中に張り巡らされたネットワークのつなぎ目を橋渡しするのが神経伝達物質です。ドーパミン、セロトニンなど50種類以上にもなりますが、その材料がアミノ酸です。アミノ酸は20種類必要で、複数のアミノ酸が様々に結合し50種類以上の神経伝達物質を作り出します。その20種類のアミノ酸すべてをバランスよく含んでいるのが肉なのです」

   肉をあまり食べずにアミノ酸が足りなくなるとどうなるのだろうか。

横越教授「私たちの体の調節をしているのは酵素とホルモンです。これらもアミノ酸から作られていますので、アミノ酸が不足すると、体全体が不調をきたします。いろんなストレス、食欲不振、うつ病、統合失調症、不眠症といった生活活動全般に悪影響が出てきます」

   チエさんの体調がすぐれなかったのは肉を食べなかったからだ。横越教授は「もちろん食品の常として、肉の食べすぎはよくありませんが」と断ったうえで、栄養以外でも肉の効用をこう語った。

横越教授「肉というとタンパク質メインに考えますが、バーベキューや焼肉など、みんなでワイワイ食べると楽しいですね。気分や心にもいい影響を与えて、それが内側からキレイにつながる面もあると思います」

   そこで番組では、最後に家庭でやる「最適なステーキの焼き方」を紹介した。伝授したのは、東京農業大学名誉教授で「肉焼き総研所長」の鈴木敏郎さん。

   焼くのは厚さ2センチのサーロインステーキ用の牛肉だ。

鈴木敏郎さん「ホットプレートで焼く場合、強火(250度)で片側をじっくり焼くのが鉄則です。最大のポイントは、ひっくり返すタイミング。下から火が通って、表面に肉汁がにじみ出て、白く輝いている瞬間にひっくり返せば、タンパク質とうま味を肉の中に閉じ込めることができます」

   これで家庭でも「ミディアム・レア」のステーキが楽しめるはず。お試しあれ!

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