AKB48グループの「選抜総選挙」での「結婚宣言」で激しい批判を浴びているNMB48の須藤凜々花(すとう・りりか)さん(20)に、思わぬ「怪我の功名」だ。須藤さんが2016年に出版した初の哲学書の売り上げが、騒動後に急上昇しているのだ。
書籍のタイトルは「人生を危険にさらせ!」(幻冬舎)。須藤さんが敬愛する哲学者、ニーチェの格言から取ったタイトルだ。須藤さんのアイドル人生が危険にさらされるなか、「哲学書」と「幻冬舎文庫」のジャンルでは1位にランクイン。騒動の余波はアマゾンのレビュー(評価)欄にも及んでおり、最低評価と最高評価が入り乱れている。
5つのテーマについて対談形式で考察
「人生を危険にさらせ!」は、社会政治学者の堀内進之介氏との共著で16年3月に出版。主に対談形式で「生きるということ」「愛するということ」「自由になるということ」「正義しい(ただしい)ということ」「大人になるということ」の5つテーマについて考察している。アイドルが哲学に関する書籍を出版するのは珍しく、その人気を受けて17年4月には文庫版も発売された。「結婚宣言」後、この文庫版の売り上げが急激に伸びている。
アマゾンの売れ筋ランキング情報を収集・発表しているウェブサイト「amaran」によると、選抜総選挙が行われた6月17日時点では、「本」全体のカテゴリーで300位圏外だったが、19日朝には190位に浮上。21日18時時点では129位だ。
分野別にみると、「幻冬舎文庫」で1位、「哲学」と「思想・社会」では2位。6月20日は「哲学」で1位だった。
レビュー欄では評価真っ二つ
文庫本の評価(レビュー)欄の平均は、5点満点で3.5。「結婚宣言」後に書き込まれたレビューでは、最低評価の「1」をつけた人は
「結婚するなら総選挙辞退してほしかったです。まだ立ち直れないわー。悔しい」
「投票してくれたファン、48グループを裏切り、自ら人生を危険にさらす事を実践してくれました」
「彼女は真実の愛に気づき結婚しました。もう哲学なんて必要ないですね」
と恨み節をつづり、最高の「5」をつけた人は
「タイトル通りの有言実行で素晴らしいので、これからも続けてほしいと思います」
「知性を備えた可愛さに、私としては結婚云々関係なく応援していこうと思いました」
「大事なものを無くしてでも手に入れたいものなんて中々ないです、覚悟と度胸見習いたい」
と須藤さんを称賛。評価は真っ二つに分かれている。
なお、須藤さんは「人生を危険にさらせ!」の中で、
「アイドルになる前から、私は恋愛ができなかった」
などと原因を振り返りながら、
「堀内先生は『愛はぜったいに失敗するから重要なんだ』と言っていた。私も好きな人ができたら、傷つくことを恐れずに愛そうと思う」
と書いている。