内閣改造などの人事について、自民党の二階俊博幹事長は、橋下徹前大阪市長(47)や小泉進次郎衆院議員(36)の入閣を安倍晋三首相が検討している可能性をテレビ番組の中で認めた。どこまで実現の見込みがあるのだろうか。
森友・加計両学園の問題を巡る国会での対応ぶりが批判を浴び、安倍内閣の支持率はこのところ急降下している。
自民・二階幹事長「安倍首相の念頭にはあるはず」
そんな中で、2017年8月下旬にもあるとみられている内閣改造、自民党役員の人事が注目を集めている。各メディアでは、支持率回復の切り札として、橋下徹、小泉進次郎両氏の名前が取り沙汰されており、二階幹事長が出演した6月20日夜放送のBS日テレ「深層NEWS」でも、この質問が出た。
二階氏は、橋下、小泉両氏が新設予定の人づくり改革担当相になる可能性を問われ、そうなるとは限らないとしながらもこう答えた。
「当然、総理の頭の中には、その人たちの名前ぐらいはね、しっかり浮かんでいるでしょう」
小泉氏が適任かどうかについて聞かれると、「立派な人ですね」と答えた。
「若いということに似合わず、物事を熟慮できる人だしね。やっぱり元総理の血を引いていますよ。私は、何の役でも何大臣でも務まる人だと思っています」
と手放しのほめようだった。
メディアではほかに、橋下氏は、弁護士など自らの経験を生かして法相や総務相に、小泉氏は、こども保険提唱や農林部会長の経験などから厚労相や地方創生担当相に、名前が挙がっている。
しかし、二階氏の発言を報じたニュースのコメント欄などでは、この人選については懐疑的な声が多い。
「人気取りの為に見えちゃうな」
「沈みかけた泥舟に誰が乗りたがるか」
「どちらもお断りすると思う」
などと書き込まれている。
政治評論家は、2人の入閣ありうるとの見方示す
政治評論家の有馬晴海さんは6月21日、J-CASTニュースの取材に対し、橋下徹、小泉進次郎両氏の入閣について、「両方ともあるかもしれません」との見方を示した。
「安倍さんは来年、憲法改正に向かおうとしており、支持率を上げないといけないのに下がってしまいました。次の内閣改造では、多くの閣僚が辞める可能性もありますが、党内にはいい人材が不足しています。そこで、内閣の顔になる人が必要になってくるわけですよ」
橋下氏については、憲法改正に向けて野党を振り払うだけの答弁力があることに安倍首相は期待しているはずだと、有馬さんはみる。その点から法相が有力ではないかという。橋下氏は5月、日本維新の会の政策顧問を退くなどしており、表向きはテレビ出演への影響を挙げているが、有馬さんは、入閣に備えて維新と距離を置く狙いがある可能性も指摘した。
小泉氏は、こども保険提唱から厚労相が有力ではないかといい、自らも政策を実現させて実績を作りたいためこれを受けるのではないかと、有馬さんはみている。
一方、森友・加計問題の影響で、安倍首相の資質について疑問の声がネット上などで噴出している。18年9月に予定されている自民党総裁選で苦戦する可能性も残っており、橋下・小泉氏の入閣が本当に切り札になるかは不透明な状況のようだ。