入院の5人に1人が抗生物質で副作用 過剰処方も問題

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6割以上が追加の検査必要に

   患者数からみた副作用の発生率は20%だったが、1人が2つ以上の症状を経験しているケースも少なくなかったという。抗生物質の投与期間10日間ごとに副作用のリスクが3%上昇。発生箇所は胃部42%、腎臓24%のほか、血液の異常15%だった。患者の4%で、抗菌物質の使用による感染率上昇が知られるクロストリジウム-ディフィシル腸炎の発症がみられ、同6%が多剤耐性の感染症にかかっていた。

   入院期間への影響をみると、24%の患者が副作用のため延長を余儀なくされ、3%が退院後に再入院。また9%は病院の救急処置室で治療や別のクリニックでの診療を受けた。61%が追加の検査を必要になった。

   研究グループの調べによると、19%の患者は抗生物質の処方が不要だった。同病院の小児科学准教授で「小児科抗菌物質適正使用支援プログラム」のディレクターを務めるプラニタ・タマ医師は「医者はしばしば抗生物質をだしたがる。細菌感染の疑いが低くても。必要でなくても、害にもたぶんならないだろうと考えている」と指摘。「現実には害になる可能性がある。抗生物質処方の際にはいつも、ちょっと待てと問いかける。この患者に本当に必要なのかと」

    タマ医師は、この研究報告をきっかけに、医師側が処方に対する意識を高めることを要望。また、患者らにも、薬の副作用の可能性について医師に質問を重ねて理解を深めるようアドバイスする。医師と患者らが意識を高めることが、不要な処方を大幅に減らす原動力になるという。

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