爪を指で押して離すと「ゴースト化」がわかる
自分の毛細血管がゴースト化しているかどうか、簡単にチェックできる方法を高倉教授が紹介した。「爪床(そうしょう)圧迫テスト」だ。「爪」と呼ばれている爪甲(そうこう)の裏側にある指先の皮膚のことを「爪床」という。
①親指で爪の根元を5秒間強く押さえて離す。
②離した瞬間、爪は白色だが赤みが戻るまで何秒かかるか数える。
健康だと2秒以内に赤みが戻る。救急医療では2秒以上かかるとかなり心臓が危ない状態だという。5秒たっても戻ってこない人は、毛細血管の状態が悪く、ゴースト化している可能性が高い。
番組では、高倉教授の研究室で50代の男女8人の毛細血管の画像を調べ、ゴースト化しているかどうかチェックした。すると、半数の4人の毛細血管が途中から消滅、ゴースト化していた。「元気組」と「ゴースト組」に分けて生活習慣を聞くと、次の違いがあることがわかった。
(1)元気組は適度な運動をしていた。たとえば、毎日のウォーキング、週3回のテニス、ヨガなど。一方、「ゴースト組」はまったく運動をしない人が3人、ダンベルベンチプレスなどの激しい筋トレをしている人が1人いた。
高倉教授「毛細血管にいいのは1日20~30分程度の有酸素運動を続けることです。激しい運動は活性酸素を作り出して、血管にダメージを与えてしまうことがあります」
(2)食生活では、「元気組」は3食きっちりとバランスよく食べる人ばかりだった。「ゴースト組」では、ラーメンにパンを浸して食べる「偏食」の人や、朝食を抜いて昼はお菓子だけの人、生ビールを10杯飲む人など。
高倉教授「お酒が好き、炭水化物が好き、脂っこいものが好きなど、偏りがちな食事は、血管にダメージを与えます」
(3)睡眠では、見事なくらいに差が出た。「元気組」は全員夜12時前に就寝、6時間以上寝ていた。一方、「ゴースト組」は全員が12時過ぎに就寝、6時間未満の睡眠時間だった。
高倉教授「睡眠不足は体内時計に大きく影響します。体内時計によってホルモンが出され、それにより血管は整ってくるので、修復する時間(睡眠時間)をしっかり取ってあげないと、血管のダメージが回復されません」