双方存続も、「賢い支出」によって持続可能
築地と豊洲の双方を存続させる方針だが、小池知事は「賢い支出」によって持続可能と説明。「市場の在り方戦略本部」の資料をもとに「ザックリと計算した」と小池知事が話すところによると、「豊洲移転」をして築地跡地は売却した場合、キャッシュフローの赤字が継続し、将来世代まで実質的に毎年税金で穴埋めしていくことになる。一方、今回の「築地再開発+豊洲機能強化」を進めた場合、築地の賃料・地代収入と、豊洲の機能強化による賃料改善などで、両市場合計の収支が徐々に黒字化していく。小池知事は「築地と豊洲のダブルのプラスでやっていきたい」としている。
「豊洲市場の整備でできた借金はどう返していくつもりなのか。追加でかかる税金はいくらくらいか」との質問には、「これは償還の問題が出てくるので、事務方に精査させているところ。それによって市場会計に打撃が出ることのないよう、また税金を新たに投入することのないような方策を、今検討している。さまざまな方法を考えて、ベストな、ワイズスペンディングな方法で進めていきたいと思っている」とだけ述べ、具体的な財政面の計画には言及しなかった。
また、市場機能の帰属について「将来的に市場は築地に戻るのか、豊洲は市場でなく物流センターになるのか」との記者団の質問に、小池知事は「豊洲は新たな中央卸売市場としての機能を優先させる」と明言しつつ、「さまざまな物流の変化が起きている中で、物流機能をさらに強めていきたい」「市場機能を一番確保できる方策を見出したい」などと答えた。