個人差があることを指摘する声も
この結果に、パール博士自身もBBCに対し「自然環境が人のストレスを軽減することは以前から知られていた」と答えつつ、
「VRという同じ注意を逸らす仕組みを利用しているときでも、自然環境をモチーフにしたVRの効果が明らかに高かったことは驚きました」
と述べている。実験から4週間後に行ったアンケートでも、海岸VRグループの不安感は非常に低くなっていた。
治療に協力した歯科医師のメリッサ・オーブリー医師も「特別な鎮痛方法は歯科医師や看護師にトレーニングが必要で、麻酔を使用した場合は患者が治療後もしばらく注意する必要があるが、VRであれば患者も医師も少ない負担で提供することができる」とその効果を評価している。
ただし、VRは内容によって個人が感じる没入感に大きな差が出るため、「全ての人に均一の効果をもたらすVRが可能かどうか、さらに詳しく検証しなければ医療現場で利用するのは難しいのではないか」と指摘する声も寄せられているという。